ゾウは絶滅の危機に瀕しています。
なぜゾウが絶滅危惧種に指定されているのでしょうか。
その理由は一体何なのでしょうか。
アジアゾウとアフリカゾウが絶滅の危機に瀕している理由とは?
アフリカゾウは象牙のために、ハンターにより大量に密猟されてきました。
2016年、南アフリカにてワシントン条約の会議が開催され、野生動物の保護や取引について話し合いが持たれました。
この会議で象牙市場の閉鎖を、求める決議がようやく採択されました。
これらにより、アフリカゾウの頭数は、一度は回復の兆しを見せました。
しかし、密猟は2005年頃から現在まで再び増加してきています。
中国とタイの経済が大きく成長し、象牙の市場が幅広く拡大したためです。
どちらの国でも購買力のある富裕層が増し、象牙の製品への需要が増加したことが原因です。
特に中国では、高額で取引される象牙をホワイトゴールドと呼び、販売ルートは麻薬シンジケートや暴力団によってコントロールされているといわれます。
また、アフリカでの紛争も状況を悪化させています。
銃がはびこり、アフリカゾウは紛争の資金源として狙われているのです。
一方、アジアゾウは熱帯雨林の減少に伴いゾウの生息地が大幅に縮小したことに加え、森の近くまで人間が住むようになったため、ゾウと人間が衝突する機会が急激に増加したことで、銃で撃たれ命を奪われるようになりました。
そのため世界自然保護基金WWFは、インドネシアの国立公園管理局や林業省、地域の住民と提携して森林への不法な居住や、農地開拓を防ぐための施策をしてきました。
またWWFは、違法行為の監視や取り締まりを強化すると共に、土地の利用計画を策定する必要性をインドネシア政府に働きかけています。
同時に、スマトラで森林を伐採し続けている製紙企業や、パーム油の生産企業などに対し、保護する必要がある森林をこれ以上伐採しないよう強く求めています。
まとめ
密猟者や森林伐採者であっても、自分が生きていくために生活をしなければなりません。
人間の暮らしの安定と、ゾウの保護をどのようにバランスよく結びつけるかが、今後の課題といえるでしょう。