動物園ではよく、ポニーに乗って写真を撮ったりするイベントがあります。
ウマは荷物をのせて人間を助けてくれたり、また、背中に乗せてくれて乗り物の代わりになってくれる事もあります。
しかし、決して人を背中に乗せず、家畜にもならず、野生のままの姿で生き続けるウマがいます。
それがウマ科ウマ属の白と黒の縞模様を持つ「シマウマ」です。
とにかく気性が荒く、人間に懐こうなんてことは全く考えません。
とても神経質で、狭い部屋に閉じ込めただけでも命を落としてしまうほどです。
動物園の飼育員さんでもない限り、とても飼う事は出来ない動物でしょう。
そんな気性の荒いシマウマが、行動を共にする動物がいます。
アフリカ・タンザニア・ケニアに生息する、ウシ科のヌー属の「ヌー」です。
ヌーの生態で有名なのが、数十万頭で行う大移動です。
エサの多い草原を求めて移動する行動ですが、その時ヌーはなぜかシマウマと行動を共にします。
その生態をご説明いたします。
ヌーとシマウマの共存!
仕事でも、恋愛でも、お互いの無いものを補い合う事ができるパートナーと巡りあえることは、とても重要な事です。
シマウマとヌーは、まさにそのベストパートナーと言えるでしょう。
その理由の一つは、シマウマとヌーの能力の違いにあります。
ヌーは嗅覚はすぐれていて、雨の匂いもわかるので、その方向に向かえばいいと言う事はわかるのですが、視力が弱い事もあり、なかなか前に進めない事があります。
反対にシマウマは視力はいいのですが、嗅覚が弱い部分があります。
一緒に行動する事で、お互いの弱い部分を補っているのです。
また同じ草食動物でありながら、ヌーが茎や葉を好むのに対し、シマウマは穂先しか食べないので、まったく被らないのです。
ヌーが川を渡るときのシマウマの行動!
ヌーの生態で有名な大移動ですが、実はその影の功労者がシマウマです。
特に川を渡る時は、ヌーの臆病な性格が災いし、なかなか前にすすめません。
それを、勝気で、積極的なシマウマがお尻を叩くように移動を促がすのです。
川を渡る時の敵はワニです。
その中をシマウマは、恐れることなくヌーを誘導します。
時にはワニを、蹴りながら振り切って先頭をきっていく時もあります。
ヌーはシマウマに誘導され、川岸に辿り着く事が出来るのです。
まとめ
最強の咬合力をもつワニに対しても、大暴れして立ち向かうシマウマは、ライオンに勝つ事すらあります。
シマウマは「ワンワン」という犬のような声で鳴くのですが、人間に服従した犬とは全く違う性格をしています。
人間に服従するよりも、自分のない能力を補ってくれるヌーと共存し、青々とした草原で自由に暮らす方を選ぶのは当然かもしれません。
ヌーとシマウマは子育ての時期も同じで、お互いに子育てする事もあります。
まさにベストパートナーと言えます。