日本人は古くからイノシシの肉を食べてきました。
今でも狩猟により捕獲したイノシシを食べることは珍しくないようです。
時には肉の刺身を食べる事もあるかもしれません。
しかし野生動物には、人獣共通感染症や食中毒の原因となる病原微生物、寄生虫などがいる可能性が非常に高いのです。
肉を生で食べることは大変危険です。
では具体的にどのような危険があるのでしょうか。
イノシシの生食はなぜ危険なのか
栄養価の高いイノシシ肉ですが、生食は危険です。
なぜなら野生動物は家畜と違い、餌や飼育方法などの管理がされていません。
そのため、人にも動物にも感染する病原体である微生物や寄生虫を保有している可能性が高いのです。
イノシシの生食はE型肝炎、旋毛虫症、ウェステルマン肺吸虫症などに感染する可能性があります。
また野生動物は「と蓄場法」の対象にならないため、解体する時に病気などに関する検査が義務付けられていません。
イノシシ肉を含め、野生動物の肉を食べる時は必ずしっかり加熱してください。
生食は避けましょう。
イノシシの生食で起こり得る危険
イノシシの肉を生で食べる事には、どのようなリスクがあるのでしょうか。
例えば、E型肝炎ウイルスは妊婦や高齢者に感染すると重症化し死に至ることもあるようです。
旋毛虫症は、食べてから約1週間後に下痢や腹痛が起こり2日~1週間程続きます。
重症化することもあります。
また、腸管出血性大腸菌感染症を発症する可能性もあります。
野生動物が持つウイルスや細菌、寄生虫は動物だけでなく人にも感染し、重症化することがあるため大変危険なのです。
これらの病原体は75度で1分以上加熱することで全滅します。
必ず加熱して食べましょう。
まとめ
イノシシの肉は低脂肪、低カロリー、高タンパクで味もよいと言われます。
イノシシ料理と言えば日本では牡丹鍋などが知られています。
フランスでは野生鳥獣料理の事をジビエ料理と言い、最近は日本でも注目されてきています。
適切に処理をすれば臭みもなく美味しいのですが、生で食べることは危険です。
野生動物は家畜のように餌や飼育の管理がさせず、解体時の検査もありません。
野生動物は臓器や筋肉、皮膚、体毛に、人にも動物にも感染する細菌や寄生虫を保有している可能性が非常に高いのです。
それらは適切に加熱すれば全滅します。
厚生労働省による「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」でも肉の中心部の温度が75度で1分以上加熱して食べるよう注意しています。
必ず加熱しましょう。
イノシシの生食は大変危険です。