コウモリといえば、洞窟や木、あるいは軒下に逆さまにぶら下がっている姿を想像するでしょうか。
飛んでいる姿を目撃することもありますが、木の上などに真っ直ぐ止まっている姿はほとんど見ませんよね。
大きさや種類を問わず、コウモリが逆さまになっているのには何か理由があるのでしょうか?
今回は逆さまのコウモリ、そのワケについて追いかけていきます。
逆さまのコウモリには合理的な理由があった!
たとえば、私たちが逆立ちをして長時間過ごすことはできるでしょうか。
だんだん頭に血が上ってきて、具合が悪くなってしまいますよね。
しかしコウモリにはそういったことがありません。
逆さまで生活するその理由はいくつか考えられています。
ひとつに、身体の大きさが関係しています。
コウモリは人間のように身体が大きいわけではありません。
人間の場合は大量の血液が頭に集中するため具合が悪くなりますが、コウモリは身体が「軽すぎる」ために血液の影響を受けません。
より詳細にいうと、身体が軽いと重力の影響をあまり受けず、血液が頭へ集中して流れると言った影響が起きないのです。
そのため、逆さまで生活することができるというわけです。
もうひとつ、コウモリの身体のつくりに関係があります。
コウモリには特殊な腱があり、それによって非常にリラックスした状態でぶら下がることができます。
直立しているよりも逆さまの方が、コウモリにとっては楽な体勢ということなんですね。
逆さまでぶら下がる状態は寝転がることに似た感覚だそうですので、コウモリが逆さまになっているのは楽な姿勢を求めた結果、といえるでしょう。
まとめ
逆さまの格好がリラックスしている姿、というのが私たちにはなかなか想像のできないことですよね。
しかし身体のつくりや体重の軽さが違うことで、リラックスできる姿勢も変わるというのが興味深いです。
聞くところによると、逆さまのまま亡くなっているコウモリもいるのだとか。
もっとも過ごしやすい姿というのは動物によって違うものだと、改めて感じさせる特性ですね。