ペンギンは今の姿からは想像出来ませんが、その昔空を飛んでいました。
体型は、航空力学的に空を飛ぶ事が不可能とされても、空を飛んでいる黒くて丸いクマバチに似ています。
もしペンギンが、クマバチのようにホバリングをして空中にとどまる事ができたら、それはそれで面白いのですが、残念ながら、ペンギンはクマバチのようには空を飛べません。
あのペンギンの姿は、まだ退化しなかったバランスの悪い羽が残っているようにしか見えません。
しかし、あのバランスの悪い羽こそが進化の集大成といっても過言ではないほど、ペンギンにとってとても重要な羽なのです。
空よりも海を選んだペンギンは、今の状態に進化をとげました。
進化の為に失ったものは、空を飛ぶ為の羽ですが、進化で得たものは、海を泳ぐ為の羽です。
いったいどれ程の強さをもっているのでしょうか。
この素晴らしい羽についてご説明いたします。
ペンギンの羽の力!
ペンギンの羽は、一般にいう鳥の羽ではありません。
あの羽は、フリッパーと呼ばれる腕と呼んでもいい羽です。
それは、一枚の丈夫な太い骨で構成されている、いわば舟のオールのような役割を果たすのです。
しかも生えている羽はふわふわではなく、完全防水の羽なので、水の中をまるで飛ぶように泳ぎ回る為に進化していると言ってもいいでしょう。
そのフリッパーの力の強さは、近づいてきた南極観測隊の犬を遠くにふっ飛ばしてしまった記録が残るほどのすさまじい威力があります。
ペンギンの事がよく解っていなかったころ、よちよち歩きに油断して近づいた人間が、叩かれて骨折寸前の怪我を負ってしまった事例もあります。
そんな強さを持つフリッパーを使って、水中を時速7~10キロで飛ばします。
コウテイペンギンの場合、500m近く潜る事も出来ます。
ペンギンは魚のような尾ヒレがありませんので、泳ぐ力のすべてがフリッパーの力なのです。
まとめ
ペンギンは、あの可愛らしい姿からは想像も出来ない力を秘めています。
ネットでは水族館の飼育員さんが、アザだらけになってしまった話が出ています。
空を飛ぶ事をやめたペンギンは、実は歩く速さはよちよち歩きではありません。
種類にもよりますが、時速2kmほどで歩きます。
南極では、腹ばいになり氷の上をそりのように効率よくすべるペンギンもいます。
歩き始めた赤ん坊レベルではなく、おそらく人間とさほど変わらないスピードで歩けるのです。
そして、水中では、人間の能力をはるかに超えるスピードで泳ぎます。
獲物をとる時の瞬間的なスピードは、時速36kmにもなります。
万物の霊長などと人間は言われていますが、人間の能力はペンギンのフリッパー一つにも歯が立ちません。
もう人間は万物の霊長などと威張っていられないと、気が付かなければなりません。