ペンギンは、父親と母親がともに協力をして子育てをします。
特に有名なのが皇帝ペンギン(エンペラーペンギンとも)の子育てで、「世界一過酷な子育て」と呼ばれることもあるのだとか。
では、そんなペンギンの子育てについて紹介していきます。
ペンギンの子育ては二人三脚!特に過酷な子育てをする皇帝ペンギンの生態とは?
前述にもあるように、ペンギンはオスとメスが協力して子育てをします。
ほとんどの種類のペンギンが巣を作り、そこで交代しながら卵を温めます。
巣作りに関して言えば、例えばアデリーペンギンですと小石を積み上げて巣を作り、イワトビペンギンは崖に、フィヨルドペンギンは倒れた木の下や岩穴に巣を作ったりと、種類や生息地域が多彩で色々な特徴があります。
キングペンギンや皇帝ペンギンは、卵を足の上に乗せてお腹の下にある「抱卵蓑」という、たぷたぷしたお肉を被せて温めるため、巣は作りません。
また、繁殖の時期も種類によってさまざまで、ほとんどは春から夏にかけて繁殖しますが、皇帝ペンギンやフィヨルドペンギンのように冬場に繁殖する種類もいます。
ほとんどの種類が抱卵(卵を温めること)をオスメスで交代して行うのに対し、皇帝ペンギンは違い、皇帝ペンギンが抱卵を行うのはオスの仕事です。
というのも、皇帝ペンギンは南極の秋になると夏場に生活していた海から離れて、産卵に向けて陸へ上がります。
そして集団で繁殖地を目指すわけですが、その距離が実に50km以上。
その途方もない長距離を渡り歩いて、メスが卵を産むと、今度は疲労した体に栄養を摂るために海を目指し、餌を取りに向かうのです。
この間オスが卵を温めるわけですが、オスは約60日間もほとんど飲まず食わず。
口にできるのは雪くらいのもので、ほとんど絶食状態ですから、ほぼ眠るように過ごすと言われています。
そして60日経ち雛が孵るころに、栄養を蓄えてメスが帰ってきます。
胃に貯めた餌を雛に与えてやっと交代になります。
ここからオスは、メスと同じように餌を求めて海へ向かうわけですから、実に120日間も絶食状態が続きます。
皇帝ペンギンは元々、ブリザード吹きすさぶ南極に生息し、マイナス60℃にもなる環境の中で暮らしています。
皇帝ペンギンの子育てが「世界一過酷」と言われるのはこの環境に加え、人間では到底考えもつかないような習性によるものなのです。
ペンギンは群れで子育てをする?その生態は?
キガシラペンギンとフィヨルドペンギンを除くペンギンは、繁殖時にコロニーを作ります。
その規模や形態は種類により様々ですが、またその中に、「クレイシ(フランス語で託児所の意)」と呼ばれる、ある程度成長した雛同士で集まる形態をとるものもいます。
クレイシにいる雛は、みな親が餌を探してその場を離れていますので、集団で固まり保温する効果と、天敵から身を守る目的があると言われています。
【皇帝ペンギンのヒナ】
皇帝ペンギンのヒナは集団で
寒さや危険から身を守る為に
群れを作ります。この行動を『クレイシ』と呼びます。 pic.twitter.com/RupSIeTP0z
— 動物の習性図鑑 (@dobutsu_syu) 2018年9月26日
まとめ
ペンギンに限らずとも子育ては常に大変なものですが、ここまで過酷な子育てがあるとは思いもしませんでした。
天敵から狙われにくくするためとはいえ、絶食によりオスの皇帝ペンギンは40%も体重が落ちてしまうそうですから、皇帝ペンギンの我慢強さには恐れ入ります。