動物の世界では糞を食べるという行為は、人間が毛嫌いするほど汚らしいとはされていません。
動物によってはさまざまな理由があり、そういう行動をとるのです。
身近なところでは、子犬が自分の糞を食べてしまうこともあり、飼い主が悲鳴を上げます。
しかしこれは犬がストレスがたまり、散歩に連れて行かない事に対する抗議ではありませんし、しつけのなっていない犬がとりがちな行動でもありません。
そこには様々な理由があります。
実はペンギンにも同じ事が言えます。
ペンギンも糞を食べます。
よりフレッシュな糞を好んで食べます。
どんな事でも許す犬の飼い主が、これだけは止めて欲しい!
と血相を変えて怒るのも無理もないほど、人間にとっては想像したくない行為です。
しかし、これらの行為は、はるか昔の先祖代々伝わる行為で、ちょっとやそっとじゃ止める事はありません。
その理由をご説明いたします。
ペンギンが糞を食べる理由は?
犬の習性に関しては、子犬は空腹や、栄養補給の一環として食糞する事もあれば、糞の匂いや味で情報を集めていたり、ただ遊んでいるだけだったり、いろいろな意味を持ちます。
この行為を止めさせる為には、すぐに糞を片付けるしか方法はないとすら言われています。
一方、ペンギンが糞を食べる行為は、犬の理由とは若干違います。
その謎は、糞の色が鍵になります。
野生のペンギンの主な餌はオキアミです。
その為、オキアミの色素の作用により、ペンギンの糞はピンク色をしていることがあります。
エビは、カロチノイドという赤みのかかったオレンジ色の色素を多くもった生き物です。
その色素が体の熱でタンパク質が急速に変化し、赤みを帯びます。
丁度エビを茹でると、灰色だったのに急に赤くなるのと同じ現象です。
それは、一回で消化しきれなかったオキエビがある証であり、それを食する事で、ペンギンは一回で吸収しきれなかった栄養を、もう一度口に入れることでとろうとしているのです。
ペンギンの食糞は、生き残る為に少しでも栄養をとろうとしている行為であり、決して汚らしい行為ではありません。
実は、ペンギンの糞を狙っている鳥もいるほどなのです。
それは、サヤハチドリという鳥で、消化しきれなかったオキアミを狙っているのです。
まとめ
自分の糞をもう一度食べる行為は、多くは、一度目の糞にはまだ栄養が残っているから食べると言う意味を持ちます。
それは、ペンギンだけではありません。
ウサギや、コアラもそうです。
特にウサギは、食べ物が腸中で発酵して、栄養価値の高い糞をします。
それを食べない事には、栄養不足に陥ってしまう程なのです。
人間だけが糞を毛嫌いし、食糞行為を野蛮で汚らしいものとしてしまっています。
しかし、その糞は栄養として価値が高く、フンコロガシなどは一生懸命転がしても自分のものにしたい、大切なものなのです。