奈良と言えば、奈良公園とそこに住む鹿が有名ですよね?
実は奈良の鹿は、国の天然記念物にも指定されています。
そのこともあり、地域の人々の鹿への愛情はとても深いです。
その一方で奈良の鹿は人に慣れてはいるものの、飼われているわけではないのです。
奈良公園とその周辺に住む野生の鹿全体が、天然記念物となっています。
それでは奈良の鹿は、どんな生活をしているのでしょうか?
少し調べてみましたので、その生態をご紹介させていただきます。
奈良の鹿とその生態とは?
奈良の鹿は、日本に生息しているニホンジカをさらに小さなグループに分類された、ホンシュウジカという種類です。
基本的には日の出から日没後くらいまで活動しますが、夜間の暗い時間帯でも目が見えるので夜も活動することも多いです。
その一方で、鹿は色盲で色の区別ができないのだそうです。
ホンシュウジカは夏と冬の厳しい時期に合わせ、1年に2回毛が生え変わります。
鹿の模様といえば、あのまだら模様を思い浮かべる方がほとんどなのではないでしょうか?
実はこれは夏の期間限定の毛皮なのです。
さらに意外なのは、小鹿だけではなく大人も、そしてオスもメスも同じように点々が出ます。
一方冬になると、濃い茶色一色の毛皮となります。
メスの鹿は、母親のいるグループで一生生活すると言われていますが、オスの鹿は2歳ごろになると母親のいる群れを出て独立し、他のオスたちとオスだけのグループを作って生活をするのだそうです。
またオスの鹿は春になるとツノの成長が始まり、半年以上かけて長い角を完成させます。
年齢の若いオスほど枝分かれが少なく、成熟したオスほど枝分かれが多くて太い立派な角を持ちます。
秋ごろに繁殖期を迎えますが、この時にオス同士で角をぶつけ合い、繁殖のお相手をめぐって争います。
奈良の鹿たちにはちょうどこの頃、角を切る角きりという儀式が行われます。
奈良の鹿の角きりは、事故を防止するためと周辺の樹木を守るために行われる伝統的な行事で、1672年に始まったとされています。
まとめ
奈良公園の鹿は野生のホンシュウジカなので、基本的な生態は他の地域のものとあまり変わりません。
ただ人にとても慣れていること、鹿せんべいというおやつを頻繁にもらえる事、そして秋に角きりが行われることは奈良の鹿独特の文化だといえるでしょう。