ここ最近になりジビエ料理の知名度が高まり、これまであまり一般的ではなかった鹿肉を食べられるレストランも増えてきました。
鹿肉カレーなどのレトルト商品なんかもよく目にします。
奈良公園の鹿を想像していただくと分かるように、鹿ってとても大きいです。
その体重はオスで約50-130kg、メスで25-80kgほどだそうです。
個体によって体格差が大きいようですが、一頭からとれる肉の量はどのくらいなのでしょうか?
今回は、鹿の肉の量について調べていきたいと思います。
鹿一頭から得られる肉の量は?
全日本鹿協会という団体によると、鹿の体重に対する正肉(皮や内臓、骨、余計な脂肪を取り除いたもの)の割合は、オスで41%とされています。
これは、鹿の肉を本当にきれいに解体し無駄なく回収した場合の数値で、実際には塊状の肉がとれない部位や、解体・調理がしづらい部位は意図的に残されることが多く、そうなると体重の30%ほどしか肉がとれないとも言われています。
イノシシと比べると、鹿肉はとれる量が少ないのだそうです。
あまりきれいに肉が回収されていないとなると、鹿に少し気の毒な気もしますが、実際のところ一人のハンターが50kgの鹿を仕留めたとします。
そしてきれいに回収しようと思えば、時間や手間がかなりかかります。
また20.5kgもの肉を得られる計算になります。
これだけの量のお肉を近所の人達や、ハンター仲間などにおすそわけをしたとしても、かなり大量の肉が手元に残ることになります。
巨大な冷凍庫が必要そうです。
鹿は駆除対象にもなっていること、上手なハンターだと多頭捕獲できることを考えると、やはり実際にはより良い部位(味が美味しい、塊状の肉が多く取れる、調理がしやすい、そして解体もしやすい)に絞って回収する方が効率的で、より美味しい鹿肉を食べることができるのでしょう。
ちなみにハンターがどのように鹿の処理を行うかによって、肉の味にも大きく差が出ると言われています。
ハンターが、プロだと鹿を苦しめることなく一瞬で命を頂けるので、味が落ちにくいそうです。
またその後、血液や内臓の臭みをいかに肉に移さないことができるかというのも、技の見せどころなのだそうです。
余談ですが大きなオス鹿の方がカッコよく、また捕獲できれば取れる肉の量も多いのですが、小さめな個体やメスの個体などに比べると、鹿独特のニオイがきつかったり肉質が硬いことが多いようです。
まとめ
一頭の鹿から取れる肉の量は、きっちり解体して約4割、良い部分のみだと約3割程度だということが分かりました。
3割しかとれないので、あまり割合が良くないです。
またその少ない割合で、より美味しい状態がキープできている肉が取れるかどうかも、ハンターの腕次第といったところのようです。