羊からとれる天然素材のウールは、洗濯機で他の衣類と一緒に同じ方法で洗うと縮みます。
お気に入りのウールのセーターを洗濯機で洗って縮ませてしまった経験がある人は、多いのではないでしょうか。
羊毛が縮む原因や正しい洗い方について、わかりやすく説明します。
そして縮んでしまった後の対処の仕方も紹介します。
羊毛(ウール)の特徴と失敗しない洗い方
ウール(羊毛)のセーターは洗濯機で洗うと縮みます。
その原因は、羊の毛が持つ特徴に隠されています。
人の髪の毛の表面は「キューティクル」と言ううろこ状の突起物で覆われています。
羊の毛の表面も同じうろこ状の突起物で覆われていて、これを「スケール」と呼びます。
スケールは常に同じ状態を保ってはおらず、羊の毛が乾燥している時は突起が閉じますが濡れると大きく開きます。
スケールが濡れて開くとスケール同士が絡まり、縮み固くなります。
洗濯機にウールのセーターをそのまま入れて他の衣類と一緒に洗い、また手洗いでも強く揉んで洗うとスケール同士が絡み合いウールのセーターは縮みます。
しかし毎回クリーニングに出すのでは、料金が高くかかります。
できたら自分で縮ませずに洗いたいと多くの人が思うでしょう。
ここで水洗いをする時のポイントと洗い方を説明します。
水洗いのポイント
- 洗う前に必ず「取扱絵表示」を確認する(洗濯機で洗えるまたは手洗いOKのマークがあるか確認)
- おしゃれ着用の洗濯洗剤で洗う(アルカリ洗剤は使わない)
- 干す時は平干しをする(干している間に重みで伸びるのを防ぐ)
洗い方
- 絵表示を確認して洗濯機で洗えることを確認したら、洗濯ネットにセーターを入れます。
- 他の洗濯ものと一緒に洗いません。
- 洗濯機に入れたらおしゃれ着用の中性洗剤を入れます。
- 「手洗いコース」で洗います。
- 干す時は平干しにしますが、どうしてもできない時は太いハンガーにかけて、もう1本のハンガーを用意して袖と裾が伸びないように重さを分散させます。
縮んだ時の対処方法
気を付けて洗ったつもりなのに、もしも少し縮んでしまったら次の2つの方法で対処できます。
① リンスで戻す方法
洗面器にぬるま湯を入れてそこにリンスを2~3プッシュ入れて溶かし、ニットをそこに入れて全体を十分に浸します。
その間にこすったりしないで浸しておくだけです。
30分経ったらネットに入れて、1分だけ脱水します。
すすぎは必要ありません。
脱水が終わったら平干しで乾かします。
縮みがひどいなら、ハンガーにかけて伸ばして干しても大丈夫です。
② スチームアイロンで戻す方法
縮んだウールのセーターをアイロン台にのせて、アイロンのスチームをかけながらアイロンを軽くあてて形を整えます。
シャツにアイロンをかける時のように、押し付けてはいけません。
まとめ
ウールは羊の毛からとった天然素材で、人間の髪の毛と成分が似ています。
毛の表面はキューティクルのような突起で覆われているので、濡れると絡みやすくなるのも人の髪の毛と一緒です。
ウールのセーターを自宅で洗う時はウールの特徴を理解して正しい方法で行えば、失敗せずに上手に洗えます。
もしも洗って縮んで着られなくなったウールのセーターがクローゼットに残っていたら、ここで説明した対処方法を試してみてはいかがでしょう。