人間は大昔から野生動物と向き合って生きてきました。
人間にとって迷惑なものを鳥獣被害と呼び、イノシシ被害もその1つです。
野生のイノシシが農作物を踏みつぶし食い荒らす、田んぼで泥浴びをする、市街地では生ごみを漁ったり人間の買い物袋を狙ったりするなどの被害が増えているのです。
鳥獣被害の中で、もイノシシによる被害にはどのような特徴があるのでしょうか。
イノシシによる被害の特徴
鳥獣被害の約半分はシカとイノシシによるものです。
被害面積と被害量を見ると全体の半分以上はシカによる被害です。
ところが被害金額となるとイノシシが全体の約半分を占めるのです。
それはなぜでしょうか。
イノシシは植物質を中心とした雑食ですが特に稲、果樹、芋類を好みます。
シカが森林を荒らすのに対して、イノシシは農作物を食い荒らしてしまうため被害金額が大きくなるのです。
そしてイノシシはそれぞれの作物が美味しくなる時を知っています。
農家がそろそろ収穫しようと思う頃、その美味しい作物を食べてしまいます。
また、人間への警戒心が弱まり人間が美味しい食べ物を持っている事を学習したイノシシが、市街地に現れる事もあります。
臆病なはずのイノシシが、大胆にも日中の市街地で生ごみを漁ったり、人間が持っている買い物袋を狙ったりするなど、人間の生活圏に入って来ていることもイノシシ被害の特徴の1つではないでしょうか。
イノシシによる被害の推移
イノシシの被害はほぼ横ばいという調査結果があります。
しかし市街地にまでイノシシが出没するなど被害は増加しているようにも思えます。
少なくとも減少傾向にはありません。
これはイノシシが賢くて繁殖力が高いためでしょう。
イノシシの寿命は2年程と短く、半数は狩猟により亡くなるといわれています。
それなのにイノシシの数は減少しないのです。
そしてイノシシは学習能力も記憶力もあります。
罠にかかった仲間を見て学習しているのではないかという見方もあります。
70㎏の岩を動かせる鼻を持ちジャンプ力もあります。
人間によるイノシシ対策など突破してしまうこともあるのです。
賢くて身体能力に恵まれ繁殖力も高いイノシシによる被害は、なかなか減少傾向に推移しないようです。
イノシシも生きていくのに必死なのは分かるけど😨💧
枝まで折られちゃって、ここの所ひどい被害です梨園 pic.twitter.com/ql3fR08h81— haruna🌸 (@haruna34083797) 2018年7月15日
まとめ
イノシシ被害の特徴は農作物への被害が大きいことです。
それは、稲や果樹などが美味しくなる収穫時期に農作物を食い荒らすためです。
イノシシの胃は人間と同じような構造だと言われています。
ですから、人間が食べる物は消化も良くイノシシにとっても美味しいのでしょう。
昔の人も様々な工夫でイノシシから畑を守ってきました。
現代でもイノシシを研究し、いろいろな対策を講じています。
イノシシを人里に寄せ付けない工夫をしたり、捕獲してジビエ料理に活用したりしている例もあります。
しかし繁殖力も身体能力も高いイノシシは、個体数も被害数もなかなか減少しないのが現状です。