日本の伝統でもある書道で使用されている筆には、様々な種類があります。
細字・中字・大字・写経用・珍筆など。
さらに筆に使用されている毛もたくさんの種類があります。
イタチ毛・狸毛・白狸毛・猫毛(玉毛)・兎毛・鹿毛・馬胴毛と毛だけでもこれだけの種類があります。
その中でも平安時代から使用されている、古典的なイタチの毛で出来たイタチ筆についてお話ししたいと思います。
イタチの毛は昔から筆にするのに重宝されている!
イタチは、ニホンイタチ・チョウセンイタチ・コリンスキーなど多くの種類が存在しています。
日本でのイタチの捕獲頭数は少なく、イタチ筆の約99%は中国で捕獲されたイタチの毛を使用しています。
イタチ毛の筆は毛に弾力があり、先がよく利くため細く流麗な仮名を書くのに向いている筆です。
また、まとまりが良く墨含みも素晴らしく筆にするには理想的な毛です。
ただし、イタチが小さな動物ということもあり、長さが短いのがイタチ毛の欠点となります。
そのため細筆に使用されることが多く、中筆や太筆は希少価値が高くなるという特徴があります。
筆にするにあたり、尻尾の長さと毛の弾力からメスよりもオスのイタチの毛の方が良いとされています。
また、夏毛よりも冬毛の方がより筆には向いています。
イタチの毛は高級品!
イタチは日本での捕獲数が少ないこともあり、イタチの毛で出来たイタチ筆は高級品とされています。
中でもコリンスキーと呼ばれるロシア種のイタチの毛を使用した、イタチ筆は高級品として珍重されています。
細筆だと1,500円前後、太筆になりますと20,000円を超えるものもあります。
まとめ
昔から使用されているイタチの毛。
屋根裏に侵入したり農作物を荒らされたりして被害の多いイタチですが、その毛は筆としてとても重宝されています。
習字をやる機会はなかなかありませんが、筆は化粧にも使用されたりしますので少し値は張りますが、高級なイタチの毛を使用して化粧をしてみたいものですね。