近年は世界的に気象変動が激しく、人を含めた生物の健康維持が難しくなっています。
とくに食物の衛生管理が悪いわけでもないのに、体調を崩すこともあります。
ましてや、生肉は衛生管理をしないと大変なことになります。
馬のお肉を生食する!その衛生基準はどんなもの?
生のお肉をそのままいただくには、厚生労働省が定めた基準のものでなくてはなりません。
その基準とは、生食用食肉の衛生基準というものです。
食肉処理場では、担当者は2つのポイントにおいて馬の肉を処理しなくてはいけません。
そのポイントとは、馬肉に生食用馬肉と表示しなくてはならない。
衛生的取り扱いを行わなくてはならない、の2つです。
さらにこの衛生的取り扱いには、4つの項目があります。
- 馬の生肉調理専用に、まな板や包丁を用意すること。
- 調理器具は、83度以上の熱湯で消毒しなくてないけない。
- 調理前には専用の洗浄消毒剤で手を消毒すること。
- 加工後の肉はマイナス10度以下で保存すること。
食肉提供業者は、この基準で馬の生肉を提供せねばなりません。
牛肉の生肉みたいに食中毒はおきないの?
焼き肉ブームの頃に、牛の生肉で食中毒が発生したことは記憶に新しいと思います。
このときは業者のいい加減な衛生管理が原因でした。
では、馬の生肉である馬刺しでは食中毒はないのでしょうか。
残念ながら、馬刺しも食中毒はあります。
馬の場合、ザルコシスティス・フェアリーという寄生虫による食中毒です。
これは馬の筋肉に寄生する虫です。
この寄生虫は主に犬と馬に寄生します。
人には寄生しません。
この食中毒の症状は、食後数時間で嘔吐や下痢がおきます。
しかし重症化はせず、軽度の中毒で収まります。
では、馬肉での食中毒を防止するにはどうしたらよいのでしょうか。
それは冷凍です。
ザルコシスティス・フェアリーという寄生虫は、冷凍することで死滅します。
馬肉を最低でも、マイナス20度で二日間冷凍することで死滅させられます。
さらに低温ならば、短時間で安全が確保できます。
まとめ
生食用の馬肉の衛生管理は、それ専用に殺菌消毒された調理器具を使います。
調理人も徹底して消毒を行い衛生を保ちます。
ですがそれでも馬肉の食中毒は発生しました。
原因は殺菌消毒で対処できるものではなく、寄生虫だったからです。
現在では冷凍処理によって、生の馬刺しも安全に食べられるようになりました。