空を飛べない代わりに、まるで水中を飛び回るようにすいすいと泳ぐペンギン。

その凄まじい推進力を生んでいるのが、あの一見小ぶりでかわいらしい羽です。

あれほどまでに小さい羽が、一体どうやってあの泳ぎに使われているのか?

ペンギンの羽の構造について紹介していきます。

ペンギン 羽 構造

ペンギンの羽は丈夫!その構造の秘密とは?

空を飛ぶ鳥は、空中に浮きやすくするため軽量化が図られており、特に羽は不要な骨をなくす形に進化しました。

しかし、海を深く潜り泳ぐペンギンはそれでは逆に不利に働きます。

そこで、羽を丈夫に、骨を大きくする形に進化させたのです。

「フリッパー」と呼ばれるペンギンの羽は、水の抵抗を受けたとしても物ともしないほど強靭なものになりました。

その構造は、上腕骨より先の骨が1枚の板のような形状になっており、各関節は可動域が非常に狭くほとんど固定されているようになっています。

つまり、ペンギンは羽全体を1枚のオールのように変化させ、強靭なフリッパーを作りだした、というわけなのです。

また、ペンギンの羽に生える羽毛はひとつひとつがとても小さく、びっしりと重なるようになっており、水にぬれると羽毛同士が噛み合って全体が一枚の布のようになって体を覆います。

これは、脂でコーティングされていて撥水効果もあります。

どれくらいかというと、水から上がってもすぐ乾くくらいとか。

これが厳しい環境でも生き抜ける理由のひとつなのです。

一見小さい羽は退化したようにも見えますが、ペンギンという動物の生存に適した形に進化した結果、というわけなのです。

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びっくり!ペンギンの羽の威力とは?!

ペンギンの羽は水を切る役割があると同時に、スクリューのような役割も果たしています。

体に対して小ぶりな羽ですが、そのはばたきはとても高い威力があります。

昔、捕鯨船がペンギンを捕獲し船に乗せた際に、その羽の一撃で飼い犬をノックダウンさせてしまった、という話もあるくらいだそうで、特に体の大きな王様ペンギンや皇帝ペンギンの羽ではたかれた場合、人間の骨でも骨折してしまうくらいの威力があるのだそうです。

骨の強度だけでなく、羽ばたく力もとても強いということが分かります。

まとめ

大きさも小ぶりのため、ペンギンの羽は退化したものかとも思ってしまいますが、水の中で素早く泳ぐことに特化した進化を経ているのです。

しかし、人間の骨を折ってしまったりするぐらいですから、骨の強度はもちろんですが、筋肉も発達しているであろうことは予想に難くありません。

かわいい仕草と見た目ですが、意外とマッチョなのかもしれません。

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