皆さんは生きたタコの足を切断したことがありますか。
おそらく多くの人が切断したことがないと思います。
まず、生きたままのタコを生で見ることが少ないと思います。
その上、生きたままの生物の足を切断するのはとても気が引けることだと思いますので、なかなかないだろうと思います。
漁師や板前の方などは、あるかもしれません。
そのほかの方でも、スーパーで買ったタコなどを裁くことはあると思いますが、それでは意味がありません。
それは、生きたままのタコの足を切断すると少しの間、動き続けるからです。
多くの人は、テレビなどで見たことがあるかもしれません。
普通、人間ならば脳や脊椎から命令が発信されて初めて体を動かすことができますが、一体なぜタコの足は切断されても動き続けるのでしょうか。
これからその理由を見ていきたいと思います。
なぜ切断されたタコの足が動くのか?
前述で示しましたように、タコの足は切断されて脳から切り離されてもなお動き続けます。
その理由は、切断されると足に刺激が送られ動き続けるからです。
通常、人間は運動神経などの末梢神経より脳や脊椎などの中枢神経に、依存して生きています。
要するに、脳や脊椎からの命令されることで、体を動かしているということです。
反対にタコは、末梢神経より中枢神経に依存して生きています。
脳からではなく、各器官など狭い範囲で命令が発信されているようなイメージです。
そもそも脊椎がないので、中枢神経の代わりに頭部神経節という神経を使用しています。
足が切断された際は、切断されたところから刺激を受け取り命令を発信し、筋肉が動くような感じです。
タコの切断された足は、大体このようなメカニズムで動き続けています。
ちなみに筋肉が筋肉として機能しなくなると、動かなくなります。
タコはこの現象を、自然の中で巧みに使用しています。
具体的には捕食者に遭遇した時に自ら足を切断し、捕食者がその動く足を標的と思い気を取られているうちに逃げるという方法です。
トカゲなどが尻尾を自ら切って逃げるのと同じような行動です。
まとめ
切断されたタコの足が動く理由でした。
いかがでしたか。
切断されたタコが動くのは、末梢神経により多くを依存して生きているためでした。
人間とは大きく違った生態なので、とても気味悪く感じてしまいますが、日ごろからお世話になっている食材なので文句は言えません。