ヤギが家畜として飼われるようになったのは犬の次に古く、12,000年前には家畜化していたと推測されています。
野生のヤギが山岳地帯の崖や砂漠地帯で過ごす姿は、凛々しく力強さを感じますね。
この凛々しさに一役買っている、ヤギのツノですがどのヤギにも生えているのか?と言うとそうでもないのです。
その理由をお話していきたいと思います。
ヤギのツノって種類によって違うの?
ヤギのツノですが、実は品種によって有無に傾向があるのです。
世界に分布している家畜のヤギは、アジア・欧米で多くの品種が確率され、肉用・乳用・毛用といった様々な用途で飼育されています。
ヤギの品種は500種以上と言われていますが、生物学上では、外見(ツノや耳の形・毛色・毛の長さ)や用途で、3つのグループに分類されているのです。
- ベゾアール型:ベゾアーを祖先として、ツノはサーベル型・直耳
- サバンナ型:乾燥地帯に住み、ツノはねじれ型
- ヌビアン型:大型の乳用ヤギで顔面が凸隆・ツノが無く、耳が長く垂れている
ベゾアール型・サバンナ型はツノがあり、ヌビアン型はツノがないのが特徴です。
私達が動物園などでよく見かけるヤギは「シバヤギ」と「ザーネン種」が多いですね。
シバヤギは主に肉用で、小柄な体格・太いツノを持ち、昔から長崎西部・五島列島を中心に飼育されてきました。
この種類は、江戸時代に隠れキリシタンがヤギの肉を神の生贄として捧げるために利用されたという話もあるのです。
ザーネン種は西暦9世紀頃朝鮮半島から九州に伝わったと言われ、毛色は全身白色で立ち耳とサーベル型のツノ、オス・メスとも「ヤギヒゲ」があります。
少し話は逸れますが、あの「アルプスの少女ハイジ」に出てくるマスコット的なヤギの「ユキちゃん」も、ザーネン種の特徴を基調に描かれていますよ。
ヤギのツノは、オスとメスのどちらにも生えるの?
皆さんは「草食動物のオスにはツノがある」というイメージをお持ちではないですか?
ところが、ヤギのツノのある・なしはオス・メスといった性別には関係ないように言われています。
遺伝学的には、ツノがないのが優性遺伝で、ツノがないのが劣性遺伝です。
ツノの無いもの同士の子供にはツノが生えない確率が高くなり、逆にツノがあるもの同士の子供には必ずツノが生えてくるということなのですね。
まとめ
ヤギのツノの有無は、オス・メスの違いではなく種類の違いです。
ですから、メスでもツノがあるものもいれば無いものもいるのですね。
ツノの形も種類によって違うので、もし日本以外でヤギを見る機会があれば角の部分をよく見てみると面白いかもしれませんね。