「虻蜂取らず」という言葉を聞いたことがありますか。
語源は蜘蛛の巣に引っかかったアブとハチを蜘蛛が、アブが網にかかったから、取りに行こうとしたら、ハチもかかった。
なので、今度はハチを取りにいったら、アブが逃げようとしたので、アブの方へ行く、などと繰り返しているうちに両方とも逃げられてしまう、というお話です。
このように蜘蛛はハチやアブを捕食するのですが、実はアブもまたハチの天敵だったのです。
今回は、ハチの天敵はアブなのか、について紹介します。
アブはハチの天敵?
スズメバチは強力な毒を持ち、昆虫界最強などと言われ、人間はもちろん同じハチのミツバチも襲います。
とても攻撃性の強いハチですが、やはり天敵はいます。
代表的なのは、オニヤンマです。
トンボというと凶暴なイメージはありませんが、オニヤンマは凶暴な肉食昆虫です。
そして、アブもまたハチの天敵なのです。
アブの中でシオヤアブという種がいます。
このアブは、飛んでいる他の昆虫たちを背後から襲い、太い口器を刺して相手を麻痺させ体液を吸い取ります。
いつもは自分よりも小型の昆虫を葉の裏に隠れて近くを通るのを待ち伏せします。
しかし、時には自分より大きなスズメバチを襲って捕食をするのです。
他のハチも同様に襲われて捕食されます。
このシオヤアブはアブの中では最も攻撃的だといわれています。
しかし、天敵といっても毎回シオヤアブに軍配があがるとは限らないようです。
待ち伏せして、相手を捕食する戦法をとるので成功確率は高いように思えますが、最初の一撃を失敗すると、逆襲されて相手の餌食になってしまうこともあるようです。
シオヤアブは肉食なので、人を襲うことはまずありませんが、こちらから攻撃をしかけたりすると襲ってくることもりますので、注意が必要です。
24.シオヤアブ
人呼んで最強の暗殺者。
優れた動体視力で飛ぶ獲物をロックオンして、死角から急襲。神経節を口吻で突き切って瞬殺する。
硬い甲虫だろうが強いスズメバチだろうが速いオニヤンマだろうが、こいつに狙われれば一巻の終わり。 pic.twitter.com/KVnV6s1OAK
— ぽってぃー@春眠 (@biophilist) 2016年10月21日
まとめ
アブは確かに怖いですが、スズメバチから見たらあまり怖くはないですよね。
でもそのアブがスズメバチを捕食する天敵なのです。
しかも待ち伏せして襲うというのは、ちょっと卑怯な気もしますが、まるで、暗殺者のようです。
ただ、自分よりも大きい相手にも向かっていくので仕方ないのかもしれませんね。