収穫の日を楽しみに、日々世話をしてきたトマトに、ヨトウムシが発生しまったら、どれほどのショックを受けることでしょう。
葉は食い荒らされ、やがては実まで台無しにされるとあっては、例えば想像するだけでも、駆除することを考えるでしょう。
「トマトにヨトウムシが発生した時」について調べます。
目次
トマトにヨトウムシの対策!
ヨトウムシの対策で大切なことは、「ヨトウガに卵を産ませないこと、葉に卵がつかないこと」だそうです。
そのためには、トマトの「苗の頃からの保護」が重要だということです。
防虫ネットで株ごと保護し、ヨトウガが卵を産めない様にしましょう。
気をつけなければならないのは、個体によっては、ネットの上にも卵を産む場合があるということです。
「ネットで保護すれば万全」ということでもない様ですので、日々の観察は行ないましょう。
ヨトウガは、赤いものに引き寄せられる習性がある様なので、株の周りに物を置く場合は、色に注意が必要でしょう。
日々の観察の中で、葉の裏に卵らしきものを見つけた場合は、迷わずに葉ごと摘み取ってしまいましょう。
トマトに発生したヨトウムシと農薬!
トマトに発生したヨトウムシの駆除には、「自然成分の農薬」と「化学成分の農薬」がある様です。
自然成分の農薬
自然成分の農薬というのは、「劇薬扱いの化学成分の農薬ではなく、人が日常 口にする可能性がある害のない食品や成分から作られているもの(=農薬)」を指す様です。
トウガラシの焼酎漬け
液そのままを、直に個体にスプレーと、大きな効果が期待できるといわれていますが、トマトには強過ぎるという栽培者もいる様ですので、ボトルに2~300倍に薄めてスプレーするのが良さそうです。
この「トウガラシの焼酎漬け」には、忌避(寄り付かない)効果も期待できるそうですので、トマトの葉の裏表に念入りにスプレーしておきましょう。
酢と焼酎にトウガラシを漬ける
栽培者の間では、「酢と焼酎」を混ぜて作った自然成分の農薬を、特に「ストチュー(=酢と焼酎)」と呼んでいる様です。
そのストチューにトウガラシを漬けて、水で薄めた液体をトマトにスプレーすることでヨトウムシの駆除が期待できるといわれています。
ストチューに洗剤を数滴
ストチューを水で薄めて、洗剤を数滴混ぜた液体をトマトにスプレーすることで、ヨトウムシの駆除が期待できるといわれています。
収穫後は、よく洗わなければなりませんが、農薬を落とすことよりも簡単で安全でしょう。
そのほかの自然成分の農薬(効果が期待できるといわれている様だ)
- 牛乳を水で薄めてトマトにスプレーし、乾いた頃に水をかけて洗い流す方法だそうです。
- 木酢を水で薄めてトマトにスプレーする方法だそうです。
※ストチューや木酢には、ヨトウムシだけではなく、ほかの害虫の駆除や忌避にも期待が持てるといわれているほか、トマトを丈夫にする効果も期待できるといわれています。
化学成分の農薬
ヨトウムシが手に負えないほど多く発生してしまったり、幼虫がすでに6齢(老齢=終齢)に達しているなど、被害が深刻であれば、化学成分の農薬の使用を考えるのが良い様です。
トマトに発生するヨトウムシに効果が期待できる(トマトに対して使用が認められている)農薬は、たくさんありそうです。
アグロスリン乳剤
薬剤を2000倍に薄め、収穫前日まで使えるそうです。
トマトの種をまいたすぐあとから、収穫までの間に使える回数は、5回以内と決められている様です。
駆除を目的としての効果が期待できるといわれています。
カスケード乳剤
薬剤を4000倍に薄め、収穫前日まで使えるそうです。
トマトの種をまいたすぐあとから、収穫までの間に使える回数は、4回以内と決められている様です。駆除を目的としての効果が期待で
きるといわれています。
アファーム乳剤
薬剤を2000倍に薄め、収穫前日まで使えるそうです。
トマトの種をまいたすぐあとから、収穫までの間に使える回数は、5回以内と決められている様です。
駆除を目的としての効果が期待できるといわれています。
紹介した以外にも複数種あり、それぞれに使い方も違う様です。
説明の通りに行ないましょう。
トマトに発生するヨトウムシの駆除
ヨトウムシの駆除というのは、「トマトから個体を必ず離し、ゴミとするか、別にするか」という意味であり、ただ地面に落としただけでは、また這い上がってくる可能性があるそうです。
ヨトウムシの成長時期による駆除
- 卵の時期
日々のチェックは、面倒でも葉の裏まで行ないましょう。
葉の裏に1mmにも満たない卵の集団(塊)を見つけたら、その葉ごとゴミとして処分しましょう。
ヨトウムシであれば、卵は塊になっているので、目につきやすいそうです。
- 6齢(老齢=終齢)幼虫になるまでの時期
卵から孵った幼虫は、大きくなるにつれ1枚の葉では手狭になり、個々に散らばっていく様です。
ただし、おおむね3~5齢幼虫までは、葉の上や裏にいることが多い様ですから、確認した時点で、ゴミとして駆除しましょう。
- 6齢(老齢=終齢)幼虫の時期
サナギになる頃です。
トマトと土の中を行ったり来たりしながら、夜に荒らすといわれています。
夕方(おおむね18~19時)頃、トマト全体のチェックをしてみましょう。
食事中の個体を見つけることができるかも知れません。
見つけ次第、ゴミとして駆除しましょう。
農薬の使用
植物や野菜に農薬を使う場合、その種類によって厳しい規定がある様です。
トマトに対しても使用が認められている農薬が複数種類あるとはいえ、その種類の容量や用法には、多少の違いがあるので、説明書をよく読んで、それに従って使用しましょう。
的外れの使い方をしていると、体に害が出る可能性があるといわれています。
まとめ
トマトに発生するヨトウムシを駆除するには、例えば、2~3齢幼虫は集団でいることが多く、それ以降になると個々に場所を変えること、6齢(終齢)幼虫になると土の中に潜って、夜にトマトを荒らすことなど、個体の成長時期による行動を覚えておくのが大切なポイントだと分かりました。
駆除は、ただ摘まんで下に落とすだけでは、またトマトに這い上がってくるので、どこかへ持って行くなり、しっかりとした処分が必要だということも分かりました。
駆除には時に農薬を必要とすること、農薬には自然成分と化学成分の2種類があること、自然成分の農薬では、ヨトウムシの忌避効果も期待できること、化学成分の農薬は、必ずその使い方を守ることなど、たくさんのことが分かりました。
「酢と焼酎でストチュー」と呼ぶことは面白いと思いました。