皮膚病の一種である“繫皸(けいくん)”。
さてこれはどのようなものなのでしょうか?
代表的な皮膚病として“アトピー性皮膚炎”が一番先に頭に浮かんできますが、実は一年の中でもどちらかと言えば秋から冬にかけてが最も多いとされています。
それはどうしてなのか?
“繫皸(けいくん)”の文字がキーワードとなります。
“繫皸(けいくん)”っていったいなに?病気なの?
繫(けい)とは・・・人間で言えば足の裏でしょうか。
馬で言えば蹴り上げたときの後ろの部分。
やわらかい皮膚があるところを指します。
皸(くん)とは・・・あかぎれ、湿疹など。
皮膚病の一種で、運動後、汗などで洗い流さなかったりしているとぷつぷつとしたものができてしまいます。
夏よりも乾燥している秋から冬ごろ“しもやけ”ではないのですが、一番皮膚が薄い部分にできてしまうのです。
このぷつぷつは無理に取ろうとはしないでください
これは先にも述べましたが汗などの皮脂汚れや調教後の手入れまたは飼育環境が良くないと現れやすいとされています。
これが放置されてしまうとアレルギー反応を起こしやすくなるので注意が必要とされます。
馬の繫皸(けいくん)って治療できるの?
もし“けいくん”ができてしまったらどのようにすればよいのでしょうか?
まずは洗浄です。
馬を調教後洗い流しますが、馬専用の洗浄剤で傷つけないように注意深く洗い流し、その後人間にも用いられるような軟膏を塗りこみます。
あまり厚く塗ると汚れの原因となるので注意が必要です。
著しく悪い飼育環境では発症率が高くなると言われていますが、そのほか訓練を行っている土壌の環境で砂利が多かったりなどすると馬の脚に傷がつき、そこから“けいくん”を発症してしまうこともあるので注意が必要です。
軽度の“けいくん”なら洗浄→乾燥→軟膏でほぼ症状は無くなりますが、重症化してしまうと脱毛や感染症を引き起こしやすくなるので軟膏だけではなくステロイド系の薬を用いることもあります。
馬にとって痛い・かゆいは言葉では表現されませんのでここはひとつ、人間が注意深く見守ることが最も良い治療かもしれません。
まとめ
馬は昔から人間と切っても切れない絆があるように農耕馬であったり、『車的存在』でありながら生活の面でとっても重要な位置にいる生き物です。
人間だってさまざまな病気を抱えながらがんばっている姿は、見ていて美しいと感じてしまいます。
馬も声なき声を発していると思うともっと労わってあげたくなります。