水槽の底にイソギンチャクが生息し、ゆらゆらと植物のように波に揺れている。
その上をぷかぷかとクラゲが浮いて泳いでいる。
まるで時間が止まったかのように感じられる景色です。
そんな状況を想像してみると、なんとも神秘的で、ぜひ自宅の水槽でも再現してみたい。
そんな水槽を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごし、ほっと一息癒されたい、そんな風に思ってしまいますが、そんな事は可能なのでしょうか。
イソギンチャクとクラゲの混泳は可能?
イソギンチャクは刺胞動物の一種です。
刺胞と呼ばれる針を持っており、そこから毒を出します。
その毒で獲物を捕らえます。
イソギンチャクが、毒を持っている事はあまり知られていないかもしれませんね。
一方、クラゲも同じく刺胞動物の一種です。
これは有名ですよね。
海でクラゲに刺されたなんて話は、よく耳にすると思います。
同じ刺胞動物を狭い水槽の中で飼育する事は、やはり避けた方がよさそうです。
イソギンチャクも動く生き物ですし、クラゲはもちろん遊泳しています。
お互いの体が触れた時、刺胞から出る毒の影響を受けてしまう恐れは、十分にある事だと予想できます。
クラゲはイソギンチャクが進化したもの?
クラゲは、最初にヒドロクラゲと呼ばれるクラゲが誕生しました。
そのあと、2種類のクラゲに進化していったと考えられています。
クラゲの成長過程の中に、ポリプという状態があります。
受精卵が孵化し、プラヌラ(幼生)が浮遊し、海底にくっついてポリプとなり繁殖、そしてポリプの体がくびれ活発になり、一部が岩から離れて遊泳し成長してクラゲになります。
この成長過程の中の、ポリプの状態のまま一生を送るのが、イソギンチャクだと言われています。
まとめ
広い海の中では、クラゲもイソギンチャクも共に生活出来ていますが、狭い水槽の中では、毒を持ったもの同士を一緒に飼育する事は、やはり難しいものがあります。
イソギンチャクがクラゲの進化の一種だという事は驚きですが、大昔からの生命の進化や、その複雑さを考えてみると、非常に神秘的で奥が深いものです。
クラゲもイソギンチャクも、まだまだ謎の多い生き物です。
種類の数だけ個性的な成長のバリエーションがあります。
イソギンチャクの水槽の中でクラゲが遊泳している姿は、想像だけにとどめておいた方がよさそうです。