7月にかけてコウモリは繁殖期に入り、稀に地面に落ちているコウモリに遭遇することがあるかもしれませんが、ペット用に飼育されているコウモリと違い、自然の中で棲息しているコウモリは様々な菌を持っているため、対処する際には必ず直接素手で触るようなことをせずに、ゴム手袋や軍手をしてから対処する必要があります。
コウモリに噛まれてかかる病気は狂犬病だけではありません!
コウモリに噛まれるとどうなるのか、コウモリの生態に少し詳しい方であれば狂犬病になってしまう。
ということを、知っている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、国立感染症研究所の報告によると、コウモリが人獣共通感染症の感染源となっている可能性があるという報告もあります。
この報告の中では、ユーラシア大陸などで多く見られるハンタウィルスが、ネズミなどのげっ歯目だけでなく、トガリネズミ目やコウモリ目などの小型哺乳動物からも発見されています。
このウィルスは、腎症候性出血熱を引き起こします。
この事象は、日本でも1960年ごろから10年ほど大阪梅田地区で流行し、当時は梅田奇病といわれていました。
また、この他にアメリカ合衆国南西部にて報告された急性で重篤な呼吸器疾患、ハンタウイルス肺症候群の病因ウイルスであるシンノンブレウイルスも、ハンタウィルス属に属すると言われています。
まとめ
世間一般の人にとってコウモリに噛まれる事象より、吸血される事象のほうが、イメージしやすいかもしれません。
しかし、吸血するコウモリは全種の中でも一種類。
どちらかというと、吸血されることに注力するよりも、コウモリが保有しているウィルスに注意することが必要です。
また、日本ではそれほどコウモリによる被害は目立ちませんが、海外ではコウモリを媒介とする病例もいくつか報告されているため、海外旅行の際などでも、自然のコウモリを素手で触るというような暴挙にでることはないよう、注意しましょう。
そして、コウモリに噛まれた場合は、速やかに病院へ行き治療を受けましょう。