「ウール」とは羊から取れる天然繊維の事で、セーターなどに使われ私達にとても身近な素材です。
羊の中でも特にメリノ種の羊の毛をウールと呼びますが、場合によってはカシミヤやアルパカなど他の獣毛もウールと呼ぶ事があります。
ここではウールの特徴を中心に、どのような素材なのかをわかりやすく紹介します。
羊毛(ウール)の特徴をご紹介!
ウールに使われるメリノ種の羊はオーストラリア・ニュージーランド・フランスが有名で、そのうち世界最大の羊毛王国はオーストラリアです。
羊の毛の使用は、約一万年前の新石器時代には始まっていました。
当時は家畜として飼育していた羊の毛をそのまま防寒用に使い、17世紀ごろより羊の毛を衣服として使用するようになりました。
今では世界中に10億頭以上もの羊が飼育され、その羊毛がセーターやコート・敷物などに使われています。
衣類を中心に多用されるウールには、様々なメリットがあります。
ウールのメリット
- 冬は暖かい:毛が絡み合い合っているので保温性が高い
- 夏は涼しい:熱伝導率が低いので涼しい
- 伸縮性がある:ウールの繊維は縮れて絡み合っている
- 撥水性に優れている:撥水性に優れているため、水溶性の汚れを弾いて汚れにくい
- シワが付きにくい:ウールの繊維には弾力性があるので型崩れしにくく、しわになっても蒸気で戻る
- 地球にやさしい:羊の毛は土に埋めると土壌中の微生物が全部分解してくれる
このように優れた性質があるウールですが、デメリットもいくつかあるので紹介します。
ウールのデメリット
- 虫食いに合いやすい:イガの幼虫などはウールが大好物
- 水洗いに弱い:水で洗うと繊維が硬く縮む
- 毛玉ができやすい:ウールの表面がうろこ状の物で覆われているので絡みやすい
以上の3つがウールの主なデメリットです。
しかしこのデメリットも、ウールの特徴を理解すると簡単に防ぐ事ができます。
虫食いは5月頃に卵を産む害虫が標的なので、その季節が来る前にきれいに洗って片付けると幼虫に繊維を食べられるのが防げます。
洗濯については、おしゃれ着用の洗剤で優しく洗うと縮みません。
そして裏返してからネットに入れて洗濯すると、毛玉ができるのを防ぐ事ができます。
まとめ
ウールには優れた性質がいくつもあります。
冬に温かく夏に涼しいので、四季を通してウール素材の服は着ることができます。
しかも撥水性が高いので汚れが付きにくく、安心して普段着としても着られます。
しかし洗い方によっては衣類が縮んだり毛玉が付きやすいので、慎重に指定された方法で洗いましょう。
そして害虫にも狙われやすいので、卵を産む季節にはきれいに洗ってから片付けるように心掛けて下さい。