馬が入った言葉は色々ありますが、「いななく」という言葉は知っているでしょうか?
「馬がいななく」という使い方をしますが、一体、どのようなときに使用したりするのでしょうか?
「いななく」という意味はいったい何?馬と関係がある?
「嘶く」と書いて、「いななく」と読みます。
意味を調べると大体「馬が嘶いた」という例文が出てきます。
馬が声高く鳴く様子を意味し、もう一つは「しわがれる」という意味を持ちます。
ここまで読むと、馬の声がかかれる程、大声で鳴く様子が想像できるのではないでしょうか?
しかし、「いななく」とは、実に面白い言い方をします。
昔の人は、馬の鳴き方が「ひひーん」ではなく、「いーな」や「いー」という音に聞こえていたそうです。
昔の日本語には「h」の単語がなく「hi」という言葉がありませんでした。
だから「い―な」と鳴く、と書いて、「いななく」という言葉を作り出したのでしょう。
他に、「いななく」の「い」は馬の鳴き声を表すとか、馬の事を意味するとも言われます。
「馬がいななく」だと、この文字の中に馬という文字が二つ入り、馬という言葉を強調する意味を持ちます。
こういった表現方法を「重言」と言います。
「二重表現」や「重複表現」とも言います。
馬と関係の深い言葉ですが、「馬が鳴く」という意味で、「いななく」という言葉は馬以外には使用しません。
「鳥が嘶く」という使い方はしないのです。
けれど、比喩的な表現として、使うことはあります。
声高く鳴く様子を「鳥が馬の嘶きのように鳴いた」と表すことはあります。
馬が「いななく」場合の意味は?
実際に馬が「いななく」場合、馬の感情はいったいどういう状態なのでしょうか?
高い声で「いななく」場合、遠くの相手とコミュニケーションをとったり、機嫌がいい時に見られる現象です。
反対に、低い声で「いななく」場合には、心が不安定な時に鳴きます。
馬はとても感情表現の豊かな動物で、声はもちろんですが、耳や目の動きによっても気持ちを読み取ることができます。
まとめ
「嘶」という漢字を分解すると、「口」と「斯」に分かれ、「くち+引き裂く」となり、口が引き裂くほど鳴く、という意味につながっていきます。
それほど高い声で鳴く馬の鳴き声ですから、感情もかなり込められているのでしょう。
「馬がいななく」姿を見に行ってみてはいかがでしょうか?