日本では、古くから馬を信仰の対象として崇めてきました。

人間と馬との関りが強かったからです。

生きた馬を神社に奉納し神馬として飼いました。

奉納する神馬の毛色は祈願する内容とも関係があり、雨乞いには青毛の馬、晴れ祈る神事には芦毛ということも決められていました。

馬の需要がなくなってきた現在でも、神に奉納する馬が街を練り歩いています。

最近では神的な意味合いが薄くなり、お祭り色が強い行事になってきました。

馬 種類 ぼした祭り

「ぼした祭り」の馬の種類とは!?

ぼした祭りとは、熊本県の藤崎八幡宮で九月の第三月曜日(敬老の日)を最終日とする五日間行われます。

お祭りのメインは、最終日に奉納する飾り馬を随兵が率いて、街を太鼓やラッパを吹きならしたり「ボシター」と掛け声を上げながら練り歩くものでした。

ぼした祭りの由来は、豊臣秀吉の朝鮮出兵で熊本城主の加藤清正が凱旋帰国した際に、馬を奉納したのが始まりといわれます。

掛け声は、朝鮮を滅ぼしたから「ボシター」と言われていたそうですが、よろしくないということで最近はどうだいという意味の「ドーカイ」と掛け声を変えました。

祭りの名前自体も「ぼした祭り」から「藤崎八幡宮秋季例大祭」と名前が変わっています。

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さて祭りのメインの飾り馬ですが、サラブレットのような軽量の馬ではありません。

1トンはありそうな大きな馬です。

毛並みは黒、白、栗毛様々です。

なぜ大きな馬かというと、少し前まで奉納が終わった後の馬は食用として処分されていたからです。

現在では、人道的でないと厩舎から借りてきた馬を祭りが終わったら返したり、そのようなことはなくなりました。

毎年60~80の団体が、飾り馬と数十人の勢子(半被をきて神輿を担いだりお囃子をします)を引き連れて練り歩きます。

馬は大人しい臆病な生き物です。

大きな声で騒がれたり、脅かされたりしながらアスファルトの上を歩くことになるので、馬への虐待ではないかと問題視する意見もあります。

興奮して蹴られた方が亡くなるという悲劇も起きています。

しかし熊本最大のお祭りで、人出も20万人とか30万人とかいわれています。

熊本では、この祭りを誇りに思っている人が多いそうです。

まとめ

生きた馬を奉納するほどの財力がない人が、代わりに奉納したのが絵馬の始まりだとする説もあります。

伝統的な行事は、日本の文化やしきたりを守るためには大事なことでしょう。

各地でも、このような馬追いの行事は沢山あります。

ぼした祭りは、政治的にも動物愛護の視点からも難しい祭りかもしれません。

馬も無理のない、人間も楽しめるお祭りに生まれ変わっていくといいです。

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