ライオンのたてがみの色や量は、外気温などによって影響を受けます。
例えば、ヨーロッパや北アメリカなど外界温度が低いところで飼育されているライオンは、より多量なたてがみをもちます。
逆に、アフリカ大陸のケニア共和国、ツァボ国立公園というところに生息しているオスのライオンはたてがみが短く、色も薄いのが特徴です。
かつて、生物学者たちは、たてがみの量が亜種の識別形態になると考えており、基亜種や亜種ケープライオンのような亜種の同定に用いられていました。
しかし、たてがみは下位区分を明らかにするための目印としては相応しくないということが判明。
一方で亜種インドライオンは、アフリカの個体群よりもたてがみが薄い傾向があります。
ライオンのたてがみの役割について!
オスの成獣ライオンが持つたてがみは、ネコ科のなかでも独特のもので、最もはっきりとした特徴の一つです。
たてがみは外観をより大きくみせ、威嚇的に振舞うためには完璧といっても良いほどの役割を果たします。
それは、他の動物やアフリカでの主な競争相手である、ブチハイエナたちと対峙する場合も同じです。
たてがみの有無、色、毛の量は遺伝的要因、生育状況、テストステロンの量、気候などに影響されます。
大まかにいって、より黒くたっぷりとしたたてがみを持ったライオンほど健康なのです。
共寝の相手としても、より濃く、黒い色をしたたてがみをもっているライオンほど、メスに好まれます。
タンザニアでの調査も、たてがみの長さがオス同士の戦いでの強さを裏づけています。
一年を通じて非常に暑い時期が続くにもかかわらず、より暗色のたてがみをもつオスライオンほど多産であり、子孫も繁栄しやすいのです。
2~3頭のオスの連合体となるプライドでは、より大きいたてがみを持つオスのほうが積極的に共寝をせがまれるということがしばしばです。
まとめ
オスは、敵を倒して自信がつくと脳から精巣に信号が送られます。
すると 「テストロン」 というホルモンが分泌されます。
この 「テストロン」 がライオンのたてがみを黒く長くするそうです。
黒くたっぷりとしたたてがみを持ったライオンほど、健康でメスライオンに好まれるのです。
また、オスライオンは争いによって強さを示すのではなく、たてがみの色でアピールすることで無駄な争いを避けているとも言われています。