静まった森のなか、木々のあいだを滑空するムササビは、日本にしかいないといわれています。
たしかに日本を生息地とするニッコウムササビとワカヤマムササビ、キュウシュウムササビの総称であるホオジロムササビは、日本だけに生息する固有種です。
それでは、日本以外を生息地とするムササビはいないのでしょうか。
ムササビの生息地は日本以外にもある?
日本の本州や四国、九州を生息地とするホオジロムササビは、齧歯目(げっしもく)リス科リス亜科ムササビ属に属していますが、ムササビ属にはホオジロムササビを含め8種類のムササビがいます。
ここからは、日本以外を生息地とするムササビをみていきましょう。
カオジロムササビは、台湾やアッサム、ミャンマー、タイなど東南アジアを生息地とするムササビです。
体長58センチメートルとムササビのなかでも大型の体を持ち、鳥獣保護法の対象外のため、希少種ながらも日本で飼育できるムササビです。
オオアカムササビは、アフガニスタン東部やパキスタン北部、バングラデシュ東部、インド東部、インドネシアなどを生息地としています。
樹上生活者らしく巣を樹洞や枝のあいだに葉やコケを用いて作り、巣の大きさは直径1メートルにおよぶこともあります。
ブータンやネパール、インドのシッキム州、チベット自治区を生息地とするホジソンムササビ。
日本の鳥獣保護法のような保護対象とはならず、食用としての狩猟対象とする地域もあります。
ホジソンムササビの寿命は、約7~8年が一般的です。
これらのムササビ以外にも、ヒマラヤ地方や中国、ミャンマーなどに生息するシロフムササビなどが、日本以外を生息地とするムササビとして挙げられます。
生息地はことなりますが、これらのムササビに共通することは、ほぼ完全な樹上生活者で夜行性の生き物であること、雑食性の食性を持ちながらも主に木々の若葉や種子、果実など植物を好む傾向があることです。
まとめ
ここまで、日本を生息地とするムササビに触れつつ、日本以外を生息地とするムササビの種類をみてきました。
生息地はさまざまですが、ムササビの暮らしぶりはどの種類も基本的には似ているといえるでしょう。