品種改良によって、様々な毛色のハムスターが誕生しています。
ペットショップでも、珍しい色のハムスターは、人気が高く注目されています。
そんな毛色は親から受け継ぐものと思っていたら、親と全く違う毛色の子供が生まれ、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
ハムスターと毛色の不思議な関係、遺伝の仕組みはどのようになっているのでしょうか。
ハムスターの色から遺伝の仕組みを考える!
生物の持つ色や形などの特徴を形質といいますが、その形質が親から子へ、子から孫へ伝わることを遺伝といいます。
遺伝には規則性があります。
父親と母親から1つずつ伝えられる2つの遺伝子の組み合わせによって、形質は多種多様に異なってきます。
そのため両親の毛色を知ることができたり、その両親から子供がすでに生まれていると、その毛色から、次に生まれてくる子供の毛色を予測することが可能です。
しかし、遺伝子は遺伝子型で構成されているため、目に見えている毛色は表現型と呼ばれる形質と、現在、目に見えていない毛色の形質をあわせ持つ場合は、同じ両親から生まれてくる兄弟であっても毛色が異なります。
そのため、予測は確実なものではなく、確率として可能ということになります。
遺伝については複雑で難しくわかりづらいですが、私たちがハムスターの命を守るうえで、大変重要なことがわかっています。
自然の流れではなく人の手によって、無理に生まれてくることになった結果が、様々な毛色のハムスターの誕生ともいえます。
それは、毛色によりかかりやすい病気や、寿命が短いなどの多数の報告からも理解することができます。
さらに、ハムスターによっては、絶対に繁殖させてはいけない毛色同士の組み合わせも、多数存在することがわかっています。
特に珍しい毛色のハムスター同士などは、ハムスターが生きて生まれてくることができない、生まれても育つことができない、病気により苦しい一生を送ることになるなどの可能性が非常に高く、そういう状況を私たちは作ってはいけません。
形質の遺伝には様々な要因があり、まだ解明されていないことが数多くあります。
まとめ
珍しい毛色のハムスターが人気であることの背景に、安易な繁殖があってはならないことを伝えていく必要があります。
遺伝の仕組みを考えていくと、とてつもなく長い時間をかけて、受け継がれてきた命の偉大さを知ります。
適切な知識と命に対する考え方を持ち、ハムスターの健康と命を守ることは、私たち人間の努めです。
性質を理解したうえで飼育していくことが、本当に大切です。
本来、持って生まれてきたものを満たすことが、人間もハムスターも健康で長生きする大切な要素です。