ヤギと言えば、皆さんはどういった特徴を思い浮かべるでしょうか。
主に細長い耳と角、あご髭や短いしっぽなどが思い浮かぶかと思いますが、よくよく見るとヤギには首に突起のような、袋のようなものがあることがあります。
しかし、実はこれ、どのヤギにもあるわけではないらしいのです。
では、この袋のようなものは何なのかについて紹介していきます。
ヤギの首元の袋の謎!実は特に意味がない?
ヤギの首元にある袋、これは肉髯(にくぜん)や肉垂(にくすい)と呼ばれるものです。
スイス産のザーネン種などによく見られるもので、日本にいる乳用ヤギとしてよく見られる種類である日本ザーネン種は、このスイス産の種類を日本の風土に適するように改良されたものなので、こちらにも肉髯があります。
肉髯の付着位置は通常首なのですが、耳の付け根のあたりから生えている個体もたまにいます。
また、その大きさもさまざまで、数もひとつだったりふたつだったり、個体によって違いがあるようです。
この肉髯のある・なしは遺伝に依っており、ある方が遺伝的に優性なのだとか。
では肉髯とは一体何なのか。
これは実は、ニワトリのくちばしの下にぶら下がっているものと同じなのです。
ニワトリの肉髯といえば、大きさでオスがメスに好かれやすくなったり、体温調節の役割があったりします。
またそのほかの動物だとウサギにある肉髯には、そこに脂肪を蓄えていたりするのです。
ですが、ヤギの肉髯にはそういった役割があるものでもなく、実際は何のためにあるのかも不明で、特に機能もないというのが定説となっています。
まとめ
のど元の辺りからちょろっと生えていたりするので、確かにその名の通り髯のようですが、ニワトリの、あのくちばしの下から生えているものと同じなのは意外だと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その上、生えていない個体と生えている個体、また耳から生えている個体があるのには驚きました。
役割が謎なのもそうなのですが、確かに役割がないのなら全部の個体に生える必要もないのでしょう。
進化の過程で、役に立たなくなった体の部位が退化したりなくなったりする例は聞いたことがありますが、こういうケースもあるというのは、遺伝とは実に興味深いものだと感じますね。