馬と言って頭に浮かぶものと言えば、サラブレッドが多いのではないでしょうか。
しかし、サラブレッド等の大型馬は明治時代に外国から日本に入ってきた馬なのです。
そうなると、日本にいた元々の在来馬はどの様な馬なのでしょう。
時代劇などで使用されている馬はサラブレッド等の大型馬ですから、時代背景とはかなり異なっている事になります。
江戸時代の馬のサイズはどのくらいなの?
現在の馬と言うと大型馬のサラブレッド等が一般的になっていますが、江戸時代にいた馬はいったいどの様な馬が多かったのでしょう。
いわゆる日本の在来馬は、小型馬~中型馬という物がほとんどです。
代表的な馬としては、木曽馬が有名な所でしょう。
馬の高さを測定する場合には、き甲と言う部分で計測されることになります。
き甲と言う部分は馬を正しく立たせた時に背中の部分の一番高い所になります。
大体首の付け根あたりだと理解してもらえれば良いでしょう。
この部分が馬の身長になります。
サラブレッド等の大型馬の身長は160cm~となっています。
日本の在来馬の身長は120cm~145cmになっているので、サラブレッド等の大型馬から比較すると一回り小さいサイズと言う事になります。
ポニーと同等又は若干大きい位と理解してください。
結構小さいと感じる方も多いと思いますが、江戸時代の日本人の背の高さは5尺程度と言われています。
1尺=30.3cmですから、約151cmです。
この身長からすれば、木曽馬等の小型馬などでも充分大きい馬と感じていた事になります。
馬の時速は江戸時代ではどのくらいでたのか?
日本の在来馬のサイズがわかった所で、江戸時代には馬はどのくらいの速度で走る事が出来たのでしょう。
皆さんも競馬中継などを見た事がある方も多いと思いますが、サラブレッドのトップスピードは時速で60km以上と言われています。
競馬場をかけ抜ける馬の全力疾走ですから迫力もあります。
但し、この全力疾走は実際は10分も走る事が出来ないのです。
サラブレッドは競争馬ですから、決められた距離をいかに速く駆け抜けるかの為に生まれた馬と言っていいでしょう。
しかし、日本の在来馬は小型で足も太いのが特徴的ですから、荷物を載せたり、荷物を引いたりするのが主な目的なのです。
戦国時代には、軍用馬としても使用されている事から、一瞬の速度はそれなりに出ていたと考えてもいいでしょう。
実際、木曽馬等の小型馬の最高速度は40kmとなっていますが、これも持続して走る事は出来ません。
持続して走るとなるとせいぜい、時速10~20kmと言われています。
では、江戸時代に早馬と言う伝令方法がありましたが、これは1頭の馬が総距離を走るのではなく、目的地まで伝馬町から馬に乗り次の伝馬町で違う馬に乗り換えると言う方法なのです。
小刻みに馬を乗り継いで距離を稼ぐと言う事になるのです。
江戸時代の郵便は飛脚と言う物がありましたから、急いで配達するのは人が走る方が速かったと言う事になります。
馬は人を乗せて走ると言うよりも、人が歩かないで済む方法と考えた方がいいのでしょう。
まとめ
江戸時代の馬のサイズや速度について紹介してきました。
時代劇ではサラブレッドを使用しているので、どうしてもその印象が強く昔から大型の馬がいたと錯覚してしまいます。
昔の日本人の背の高さから言えば小型馬でも充分大きく、ある程度の速度で走る事も可能だった事になります。
江戸時代前の戦国時代の騎馬兵などはn小型馬に乗って走っていた事になります。
印象は何となく人が大きく思えてしまいますが、それは現代人が江戸時代に比べて大型化しているからそう見えるだけなのです。