海外でも狐はと言うと、「狡猾」「嫌味ぽい」というイメージを持つ国が多いようですが、日本でも昔から『キツネの嫁入り』『狐と狸の化け比べ』『山伏と狐』のように、狐が化けて騙す話があちこちで語られてきて、狐は狡猾で化けるというイメージが定着しています。
このように日本の「狐は化ける」というイメージはどこからきたのでしょうか。
狐は本当に化けるの?
狐は化けることはできません。
少なくとも狐が化けるという科学的な根拠となるデータは、今のところ存在していません。
しかし童話や昔話以外にも、どうにも説明の付かないことを体験した人の話をよく耳にします。
特に山で経験した不思議な話にはたいてい狐が登場します。
狐が化けると言われる理由とは?
では、狐が化けることに対する科学的な根拠は何もないのに、なぜ狐は化けると言われるようになったのでしょうか。
中国からの影響
昔は、狐は田や畑を荒らすネズミや野うさぎを捕ってくれるので、人間にとって役に立つ動物だとされてきました。
特に農民にとっては、守り神である稲荷神のお使いだったのです。
今でも稲荷神社には狐が祀られているところが多くありますね。
ところが、飛鳥時代に仏教と共に、狐は人をたぶらかす悪い妖怪だという話が中国から日本に入ってきました。
狐が人に化けて悪さをし、仏様の前で降伏するという筋書きの話がよく書かれるようになり、狐=悪賢いと言うイメージが広まり定着しました。
昔は現代ほど科学が解明されていなかった
昔は病気や、天災などさまざまな自然現象が人々を苦しめる原因が今ほど科学的に解明されてませんでした。
そのため、説明の付かないことは人間の生活に身近に存在していた狐や狸の仕業にされたことも理由の一つです。
狐の風貌、声
狐の声を実際にお聞きになったことはありますか?
落ち着いている時は「クゥーン」「クニャ~」と甘えた声を出しますが、興奮状態になると、人間の断末魔のような「ギョエ~」のように聞こえる少々不気味とも言える声を出します。
それが、狐の鋭い目つきと合わさって、人間にとっつきにくいイメージを持たれてしまったのも理由のひとつだと言えます。
まとめ
狐が化けるかどうか、科学的根拠がない話は嘘だと言い切ってしまうもよし、古くから伝わる話には何らかの根拠があるはずだと考えるもよし、です。
ミステリアスな世界はあったほうが面白いですよね。
そこは私たちの想像次第です。