皆さんは高崎山のボスザル「ベンツ」を知っていますか?
今は亡くなってしまいましたが、ベンツは大分県大分市の高崎山にある高崎山自然公園の、ニホンザルの群れを統率するボス猿でした。
ベンツはその生き様が人々に注目されましたが、高崎山で伝説のボスザルと言われる理由は何なのでしょうか?
色々と調べてみました。
高崎山の猿「ベンツ」の伝説はいったい何?
高崎山の猿ベンツの伝説とは、一体何なのでしょうか?
ベンツは1980年頃に誕生し、2014年の35歳でこの世を去りました。
猿の35歳は人間で言うと推定110歳になり、高崎山ではベンツは最高齢の猿でした。
ベンツは喧嘩が強く貫禄のあるその姿から、高級車のメルセデスベンツにちなんで名前が付けられました。
高崎山では以前、猿の群れがA群B群C群と3つありましたが、ベンツはB群、C群と2つの群れでαオスと呼ばれるボスザルでした。
2つの群れのボスになるのは、高崎山でも異例の出来事なのです。
最初にベンツは、最年少の推定9歳でB群のボスザルになりました。
しかしC群にいるメス猿のリズに恋をして、自分の群れを離れリズのいるC群に移りました。
ベンツはB群のボス猿の座を降り、C群ではヒエラルキーの最下層に転落をしました。
2001年から02年にかけて餌場をめぐり、高崎山最大の勢力A群とベンツのいるC群の大抗争がありました。
その時にベンツはたった1匹でA群に飛び込んで、噛みついたり引っ掻いたりするなど大暴れして戦い、やがてA群は餌場に現れなくなりベンツはC群の勝利に貢献しました。
ベンツは仲間から敬意を払われ、C群のボスになりました。
その後2013年9月にベンツは失踪騒ぎを起こしましたが、動物園から約6km東の大分市内の市街地で見つかり保護されました。
ベンツは高齢で長い間群れを離れていたので、再びαオスに復帰できるか心配されていましたが、C群のナンバー2である猿のゾロメが率先してベンツに毛づくろいして、群れに上下関係を知らしめて再びベンツはC群のαオスに返り咲きました。
猿の世界では、再び同じ地位に戻る事は簡単な事ではありませんが、ベンツはゾロメのおかげでそれをやってのけました。
ベンツが復帰した事で、動物園の入場者が例年の約1.4倍に増え、宣伝効果は8億2千万を上回りました。
しかし喜びもつかの間で、同じ年の12月にはまた行方不明になったのです。
捜索が行われましたが今度は発見されず、行方不明になって1ヵ月たったので園の慣例に従って、亡くなったとみなされました。
その後大分市は、ベンツの功績をたたえて高崎山名誉ボスの称号をあたえました。
伝説のボスざる
ベンツ
わくわく動物ランドでよく見てた。 pic.twitter.com/tKuo2iBoDB— なまちゃん (@namachann) 2017年9月9日
まとめ
ベンツは高崎山で史上初の2回αオスになり、途中ボスの座から転落しても這い上がり、再びその地位を勝ち取る事が出来ました。
ベンツは生まれながらに、リーダーの気質を持っていたのでしょうね。
その実力と仲間にも、信頼される伝説のボスだという事が分かりました。