ゴリラの体の色、と聞くと何色を思い浮かべるでしょうか。
ほとんどの人が「黒」と答えるのではないかと思いますが、もし「ゴリラの毛は銀色である」と言ったら・・・?
あまり知られていませんが、ゴリラの中には、背中に銀色の毛が生えている個体がいるのです。
不思議な感じがしますが、実はゴリラにとってはそんなに特別なことではないのです。
銀色の毛が生えるゴリラとは、いったいどんなゴリラなのでしょう?
オスのゴリラは背中が銀色になる?
ゴリラの体毛は多くの場合真っ黒ですが、オスのゴリラの場合、年齢を重ねると背中の毛が白銀色に変化します。
この銀色になった背中のことを「シルバーバック」と呼びます。
だいたい13歳ぐらいから体毛の色が変化し始め、最終的には背中からお尻、足にかけての広い範囲が真っ白になります。
シルバーバックは、オスのゴリラが大人になった証なのです。
そこからさらに年齢を重ねると、後頭部が盛り上がり、手足の毛が長くなってきます。
ここまできてようやく、オスゴリラは大人の風格を見せるようになります。
実際にゴリラの群れを見てみると、黒いゴリラの集団の中で、シルバーバックのゴリラがひときわ目立ちます。
色ももちろんですが、体格や貫禄が他のゴリラとはだいぶ違うのです。
しかし、ゴリラの世界では、単にシルバーバックであるからというだけで一人前とは認められません。
大人のオスゴリラに求められるのは、リーダーとしてのコミュニケーション能力、群れをまとめあげていく統率力です。
年齢を重ね、たくさんの経験から学び、これらの能力を身につけ、実際に発揮していくことによって、ようやくオスゴリラは一人前と認められ、群れのリーダーとなることができるのです。
こうして見てみると、ゴリラの群れのしくみは、人間の社会のそれとほとんど変わりませんね。
それだけゴリラは賢く、高度な社会性を持った動物なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
オスのゴリラは成長すると銀色の毛が生え、大人としての第一歩を踏み出すのです。
通常、群れにシルバーバックのゴリラは1頭のみなので、動物園などでもたくさんのシルバーバックを飼育しているという例は、あまりないようです。
ゴリラが飼育されている動物園に行く機会があったら、ぜひシルバーバックのゴリラを探してみてくださいね。