夏から秋にかけて山あいや川辺などによく出没し、人を刺すアブ。
蚊などと違い、刺されると強い痛みを伴い、ひどい時はかゆみが数日続くので、とても面倒です。
彼らはなぜ人を刺すのでしょう?
それにはアブの生態が関係しています。
今回は、アブがなぜ人を刺すのか、その理由について解説していきたいと思います。
虻が人を刺す理由とは
アブ=人を刺すもの、と思いがちですが、実はほとんどのアブは人を刺す性質を持っていません。
人を刺すのはウシアブなどのごく一部の種類のみに限られ、またオスのアブは人を刺しません。
人を刺す種類のうちメスのアブだけが、人を刺すのです。
なぜオスとメスとでそんな違いがあるのでしょうか。
その理由は、メスの産卵のためです。
メスは成長し、産卵期が近づくと、人の血液を卵の栄養源とするため、積極的に人に近づき、その血を吸おうとします。
通常はウシやブタなど、家畜の血を吸うことが多いのですが、人がいる場合は人にも襲い掛かります。
そのため、アブは人の血を吸うのだというイメージが定着しているのです。
血を吸うときは、蚊のように「刺して」吸血するのではなく、皮膚を「噛んで」ちぎり、そこから出てきた血を吸います。
アブに刺されるとチクッとした痛みが走るのはこのためで、刺された瞬間にすぐに気がつきます。
ちなみに、人の血を吸うとされている種類のアブのうち、メスのアブが動物の血を栄養源としているのに対し、オスのアブは木から出る樹液や果物の果汁をおもに餌とします。
オスとメスで肉食と草食がはっきりわかれているのは面白いですね。
おはようございます、快晴です
朝から暑い、いつもは放牧地に散らばっている牛も今朝は固まって団体行動です、余計に暑そうですが原因はアブ、気温が高くなると何故かダニがいなくなり代わりにアブが出てきます pic.twitter.com/HJi4YGFxpI— おそそどこぎく@石井牧場 (@isikatu) 2017年7月6日
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アブが人を刺すのはなぜなのか、お分かりいただけたのではないかと思います。
人を刺すアブが出没するのは夏から秋の時期のみ。
よく見る場所も山や川辺などの水気のある場所と、比較的限られた状況ではあるので、そういった場所に行く必要のあるときは、虫除けスプレーなどで防虫対策をとってお出かけになるのが賢明です。
しっかりと対策をしておけば、過度に怖がるようなことはないでしょう。
もし万が一刺されてしまった場合は、いたずらに掻いたりするとかえって悪化するので、慌てずに応急処置をし、かゆみがおさまるのを待ちましょう。