何年か前に、海外で脱走して6年間逃げ続けていた羊が発見されて話題になりました。
全身に信じられない量の毛がモコモコに生えていて、毛の塊が置いてあるかのように見えました。
羊毛のために飼育されている羊は、毎年1回春に毛を刈ります。
あのニュースを見てこの毛を刈らないと永遠に伸び続けるのか?
では毛を刈ってもらえない野生の羊はどうなってしまうのか?
いろいろ疑問がわいてきました。
羊の毛の伸び方や、野生の羊の毛について調べてみました。
羊の毛は一生伸び続けるの?
ニュージーランドで、飼育されていたオスの羊が牧場から逃走してしまいました。
懸命に捜索しても見つからなかったため、もう野生で生きて行けずに死んでしまったかと思われていました。
しかし6年後の2004年に山の洞窟の中で発見されたのです。
毎年1回毛刈りをされる羊ですが、逃走していた羊はその間は当然毛を刈ってもらっていません。
その毛の影響で、見た目の大きさが通常のオスの羊の3倍以上に膨れ上がっていました。
毛を刈るために毛刈りチャンピオンが呼ばれてその様子はテレビ中継されましたが、刈り取られた毛の量は全部で27kgもあったそうです。
羊1頭の毛は約5kgと言われているので、6倍の重さの毛を身にまとっていました。
ウールのような羊毛のために飼育されている羊は、毛をたくさん刈り取るために抜け落ちないように品種改良されています。
したがって、毛を刈らないといつまでも伸び続けます。
羊毛用の羊の毛を刈らないでいたら、体温をコントロールできなくなり脱水症状を起こします。
そして毛が伸びるとそれだけ体が重たくなるので、転んだ時に自力で起き上がれません。
このように羊毛用の羊は毛を刈り取らないと、体に異常をきたして体が弱っていきます。
ニュージーランドで発見された羊は、6年間何とか生き延びて命に異常をきたしませんでした。
野生の羊は毛が伸びすぎたらどうなる?
しかし野生で育つ羊は、毛を刈る人がいません。
野生の羊は毛が伸びると体温調節ができず、長生きできないのでしょうか?
毛が一生伸び続けるのは羊毛用の羊で、家畜用でも食肉用で飼育されている種類の羊はだいたい夏ごろに毛が抜け落ちて夏用の毛に生え変わります。
そして種類によってはだんだん毛が抜け落ちて行く種類の羊もいます。
羊毛用は毛をたくさん使えるように、1年に1回必ず刈り取る事が前提で品種改良されました。
もともとの野生の羊とは違うので、野生の羊はニュージーランドで発見された6年間逃走し続けた羊のようなモコモコにはありません。
羊で思い出すのは、ニュージーランドで洞窟に潜伏するなどして毛刈りをされないまま6年もの逃亡の末やっと毛刈りされたシュレック君。2011年惜しまれながらその人生を終えたらしい。 pic.twitter.com/KbW7tiCo7u
— Green Pepper (@r2d2c3poacco) 2018年5月29日
まとめ
羊の毛は一生伸び続けるのかについて説明しました。
ニュージーランドで逃走していた羊は、通常の6倍もの羊毛を身にまとっていました。
そのまま放置しておくと体温が上昇して脱水症状を起こすかもしれません。
しかしこの羊は羊毛用に飼育されていた羊なので、1年に1回毛刈りする事が前提で改良された品種の羊でした。
野生の羊はだいたい1年に1回毛が抜けて生え変わるので、毛刈りの必要はありません。