馬は人間の家畜であり、現代では競馬場や牧場、動物園などで簡単にその姿を見ることができます。
昔はどうかと考えてみても、馬車を引いている姿や、武士を背中に乗せ戦場を走る姿などが容易に想像できます。
馬は、昔から人間と深く関わってきた生き物であることがわかります。
では、一体いつから馬と人間は密接な関りをもち共存しているのでしょうか。
馬と人間がともに歩んできた歴史
馬が人間と出会い家畜化されるようになったのは、今から6000年も前の紀元前3000年から2000年頃であるといわれています。
そのはるか前から、人間は馬を捕食し毛皮などを利用していましたが、家畜化された後は徐々に食用としてよりも荷馬車を引かせるなどの移動手段として扱うようになりました。
やがて馬は時代とともに戦争の際にチャリオットという古代の戦車を引かせたり狩りの際に用いられるようになり、紀元前8世紀頃には人間が馬の背中に乗るようになりました。
人間は馬を家畜化したことによってその生活が大きく変わり、その後の歴史が動く陰には必ず馬の存在があったのです。
なお、日本に馬がやってきたのは4世紀以降の弥生時代であるといわれています。
以降、平安時代にはすでに貴族たちの中で競馬が行われていたという記録が残っており、この頃から馬を賭け事に利用する競馬の文化が根付いていったようです。
そして、馬は軍事用としても活躍するようになり、8世紀頃には牧場で馬産が始まりました。
鎌倉時代になると、武士が馬に乗り戦に出るようになり、各地の戦で馬が用いられるようになりました。
戦国時代の合戦に馬は欠かせない存在となっており、織田信長はもちろん数々の有名な武将たちの傍らには必ず名馬の存在があったといえます。
明治時代までは一部の旗本以上の階級の人にしか馬の騎乗は許されていなかったようですが、それ以降から平民にも馬への騎乗が許可されるようになりました。
民間での娯楽としての乗馬が広まっていく一方、海外の品種が輸入され始めたことなどからより強力な軍馬を作り出すために品種改良なども行われるようになっていきました。
昭和初期までは農耕や交通手段として馬が大活躍していました。
まとめ
馬がいなければ草原で暮らしていた昔の人々は遠くまで移動することはできなかったでしょう。
マルコポーロやナポレオンなど過去の偉人たちが、世界中を旅してまわることもできなかったかもしれません。
戦国時代の有名な合戦の勝敗も違っていたかもしれません。
世界史と日本史のどちらを見ても、その歴史の裏には多くの馬たちの存在があり、馬がいなければ今の人類の歴史は全く違うものになっていたことは間違いないでしょう。
人間にとって馬は昔から欠かせない存在であり、今のこの生活を作り出してくれた存在であるといっても過言ではないかもしれません。