象のチャームポイントと言えば、あの鼻と大きな耳。
ぱたぱたと耳を動かしているところが可愛らしく、某アニメ作品にはあの耳をぱたぱたさせて、空を飛ぶなんてファンタジーなお話もありました。
実はあの耳にも、鼻と同じく大事な役割があるのです。
では、その役割について紹介していきます。
象の耳が大きいその理由は主に体温調節のため!
象は体が大きく、単位体積当たりの表面積が他の動物に比べると小さいので、体内の発熱量の増加に放射量の増加が追いつけなくなる、つまり体を冷やしきれなくて熱が蓄積していってしまいます。
それでは、体細胞にダメージを与えてしまうことになります。
哺乳類の多くは、体温調節のためにハアハアと舌を出して呼吸をしたり、汗をかいて体を冷まそうとしますが、鼻が長い象は空気を鼻から吸って口から吐くということが出来ません。
汗をかくにしても、象の汗腺は爪先の部分にしかないため、もし汗をかいたとしても体温を下げるところまで効果がありません。
また、象が住んでいるところは大抵水が少ない地域なので、あまり汗をかいてしまっても体内の水分がなくなってしまうだけになります。
そこで、象は体が熱くなると、体積が小さく表面積の広い耳をパタパタと動かして、熱を逃がそうとするのです。
象の耳には、細かい毛細血管が張り巡らされていますので、その耳をパタパタと動かし風に当てることによって体内を、流れる血液をそこで冷ましているのです。
ラジエーターと同じ原理ですね。
そのため、象の種類によって耳の大きさも違っていて、太陽が照り付ける草原に生息しているアフリカゾウなどは、顔と同じくらいの大きさの大きな耳を持っており、逆に日影が多い森に住んでいるアジアゾウなどの耳はそれよりも小さ目で、顔の半分くらいの大きさになっています。
また、コミュニケーションをとる方法としても耳は役立ち、興奮や喜びを表していることがあります。
皮膚に耳を打ち付けて音を立てることで、他の象達に聴き耳を立たせたりもするのだそうです。
まとめ
パタパタと耳を動かす仕草が、犬の尻尾を彷彿とさせるのもあって可愛らしいなとは思っていましたが、それだけでなく、体温を調節する役目もあったのですね。
確かによく目を凝らしてみてみると、耳に血管が集中しているのが分かります。