オニグモの生態に詳しい人なら、そんなこと当たり前だろうと思われるかもしれません。
なんと、オニグモは朝になると自分が張った縄張りから巣を片付けるのです。
一般的に、クモは一度張った巣は壊れてしまわない限り、そのままにしているイメージが強いと思います。
むしろ、そのままいなくなって他の場所にどんどん巣を作って引っ越して、生活しているのではないかと思っている方も多いかもしれません。
オニグモ以外のクモは、ひょっとするとそうかもしれません。
それでは、もっと詳しくお話していきます。
オニグモが巣をたたむとはどういうことなのか?
まず、せっかく体力を消耗してまで張った巣を、わざわざたたんでしまうのはどうしてでしょうか?
実際は、「たたむ」という表現ではなくて自分で食べてしまうというのが、正しいと観察されています。
食べてしまうというのは驚きです。
オニグモは約3センチの体長で、足までの長さも含めればなんと約10センチもある大きめなクモなので、それなりに大きな巣を張ります。
オニグモは日の落ちた時から巣作りを始めて、30分程で巣を完成させるといいます。
しかも、直径1メートルもの大きな巣を張ることもあるのだとか。
オニグモは自分の巣を丸めて食べることでそれを撤収し、そして翌日にまた作ってはと繰り返します。
それはつまり糸を張りっぱなしではなくて、汚らしく見えることがないということです。
よく考えてみたら人間と活動時間が逆であるから、お互い干渉せずに暮らせるという利害関係、とまではいかないかもしれませんが。
けれど、身を守るために自然と身に付いたすばらしい生活なのではないでしょうか。
まとめ
クモがみんなこんな生活スタイルならいいのに、と思ってしまうのは私だけでしょうか?
オニグモにしてみれば、毎日の安全が確保されていないからこそ、わざわざ巣を張り直すのです。
張りっぱなしにしておくと、誰かが通って壊してしまったり、あるいは敵に見つかりやすくなって自分が食べられたりしてしまうので、かなりのリスクを背負うわけです。
これからクモの巣を見かけた時は、邪魔にならない限りはそっとそのままにしておいてあげようと思います。