皆さんは普段、どんなところで馬を目にしますか?
馬と聞けば誰もが容易に姿を想像することができますね。
競馬場でコースを全力疾走する馬の姿、牧場や動物園でのんびり草を食んでいる姿。
乗馬体験で直接馬に乗り触れ合うことができたりもします。
日本ではそういった様々な場所で馬を目にすることができますが、それらの馬はすべて家畜の馬です。
そんな家畜のイメージが強い馬ですが、野生の馬はいないのでしょうか?
また、日本には生息しているのでしょうか?
日本で目にすることのできる野生の馬
そもそも、馬の仲間であるシマウマとロバを除けば純粋な野生種の馬は絶滅してしまったとされています。
そのため現在見ることができる野生の馬は、元々人間が家畜として飼育していたものが逃げ出して野生化し繁殖したもので、半野生種の馬といえます。
かつての北海道では、荷物や馬そりを引かせるばん馬として利用するため、野生化した馬を狩猟・捕獲していたといわれています。
しかし現在の北海道には、人の立ち入りが禁止されているユルリ島にほんの数頭の牝馬しか生息しておらず、その姿を見ることはできません。
それでも、日本では古くから多くの地域で馬が飼育されてきたので、現在野生の馬が生息しその姿を見ることができる地域がありました。
宮崎県串間市の都井岬です。
そこに生息する馬は御崎馬という種類で、日本在来馬の一種であり、国の天然記念物に指定されています。
ポニーに分類される中型馬で、競走馬でよく目にするサラブレッドより一回り小さくも体系はがっちりとしていて頭部が大きいなどといった特徴をもつ馬です。
江戸時代に都井岬で牧場が開設されて以降300年以上もの間周年放牧により、人間が餌を与えるなどといった管理はされずに育成・繁殖が自然にまかせられてきたため、野生の馬として現在もそこに生息し続けているのです。
そんな御崎馬が野生の馬として生きている背景には、地元の人々との繋がりがありました。
毎年「馬追い」が行われ、一頭一頭にダニ駆除の薬を飲ませたり、採血をしたりしています。
草地を守るための野焼きや、ごみや危険物の除去なども行っています。
御崎馬が馬本来の姿で野生の馬として生息していくために、地元の人々が馬たちを見守り、生息している環境を整えているのです。
まとめ
純粋な野生種の馬はおらず半野生種として生息するのみです。
北海道ユルリ島と宮崎県の都井岬に生息しているもののみといわれています。
そして野生の馬といっても、人間と密接に関わって共存しています。
家畜の馬も、野生の馬も人間と共存して日本に生息しているのです。