タヌキは、日本では大変古くから親しまれている野生動物で、昔話や絵本などには度々登場します。
また信楽焼きなどの焼き物などの民芸品も日本の全国各地で作られ、どの地域の民話にも必ずといっていいほど登場します。
日本でタヌキが生息していないところはありそうにありませんが、では実際にはタヌキは日本国内でどのように生息しているのでしょうか。
日本でも元々生息していない場所があった?
タヌキは、日本ではもちろんのこと中国やロシア、朝鮮半島などの極東を中心として広く分布しています。
日本に生息しているタヌキは2亜種おり、北海道に生息しているエゾタヌキと本州、四国、九州などに広く生息しているホンドタヌキとなっています。
エゾタヌキは北海道の一部にのみ生息し、ホンドタヌキと比較して鼻が少し尖り、四肢は多少長く、そして毛足が長いといわれています。
やはり寒冷地に生息するタヌキであるため、ホンドタヌキに比べ寒さに強い特徴を持っているようです。
ホンドタヌキは、現在は北海道を除く日本全国に生息していますが、離島などでは本来は生息していなかった地域もあったようです。
ですが、そうした地域についても人為的に移入されるなどで、ホンドタヌキの生息域は現在では全国に広がっているようです。
日本に生息しているタヌキはどのくらい?
日本人に古くから親しまれているタヌキですが、では実際にはどの程度の数が日本に生息しているのでしょうか。
実際に全国のタヌキの生息数を調べることは難しいので、あくまで推定数とはなりますが、だいたい日本全国で100万頭程度が生息しているといわれています。
100万頭といわれても、それが多いのか少ないのかはなかなかイメージがつきずらいと思いますので、他の野生動物の推定生息数と比較してみたいと思います。
近年、ニュースにもたびたび登場する野生のニホンジカやイノシシは、ニホンジカが推定300万頭、イノシシが100万頭程度といわれています。
またツキノワグマは1万頭から1万5千頭、キツネは100万頭程度といわれ、これらと比較するとイノシシやキツネと同じくらいの生息数であることが分かります。
イノシシなどは、近年の狩猟圧力の弱まりから人里に進出するようなりましたが、確かに都内にも生息し、たびたび目撃されるタヌキと同じような生息数と考えれば、頻繁に目撃されるようになったもの納得がいくところです。
まとめ
日本では古くから親しまれてきたタヌキは、ほぼ日本全国に生息し、本来は分布していなかった地域にも生息するようになっています。
都会でも逞しく生き抜く彼らは、これからも全国各地で生息域を広げ行くのかもしれませんね。