コアラが食べる餌といえば、ユーカリが有名ですね。
穏やかな表情で、モグモグと食べているシーンをみたことがある人もいるでしょう。
一口にユーカリといっても、オーストラリアには700以上の種類があり、そのうち食べることができるのは120種類ほどです。
120種類のユーカリからコアラは好みのユーカリを、さらに厳選して食べている訳ですが、コアラはユーカリ以外の餌を食べないのでしょうか。
ユーカリ以外にコアラが食べる餌は?
コアラが食べるユーカリ以外の餌を紹介する前に、コアラが主に食べているユーカリについて触れておきましょう。
一般的にユーカリは、タンニンや油分を多く含むため動物の餌に適さない植物です。
タンニンそのものは植物に少なからず含まれていますが、ユーカリはタンニンを多く含むことで、昆虫や動物に食べられることを防いでいます。
このようなユーカリを、コアラはなぜ好むのでしょうか。
ほかの生き物が食べないユーカリを主食とすることで、餌の取り合いを避けるためと考えられています。
また、ユーカリが含む毒素を分解するように、コアラは長い盲腸を持っているのです。
それでは、コアラが食べるユーカリ以外の餌に触れていきましょう。
ユーカリ以外の餌としては、アカシアやティーツリーの葉や新芽が挙げられます。
アカシアはマメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称。
約600種類ほど熱帯から温帯にかけて分布し、オーストラリア大陸やアフリカ大陸に多くの種類が存在しています。
フトモモ科コバノブラシノキ属の常緑植物ティーツリー。
精油のティーツリー油の原料でもあるティーツリーは、オーストラリア東海岸の亜熱帯地域やニュージーランド、インドネシアに分布しています。
オーストラリアの先住民族アボリジニのあいだでは、古くからケガや皮膚の治療に用いられ、精油状態では抗炎症作用、抗ウイルス作用が認められていますが、副作用の心配もあります。
比較的毒性は低いものの、ユーカリと同じような毒性を持っていることで知られ、犬や猫などの中毒症状も確認。
このことから、アカシアやティーツリーなどコアラが食べるユーカリ以外の餌にも、ほかの昆虫や動物が好まない成分が含んでいることを伺い知れます。
まとめ
ここまで、ユーカリ以外にコアラが食べる餌についてみてきました。
ユーカリ以外にもコアラは、アカシアやティーツリーの葉や新芽を食べます。
これらの餌にはタンニンや毒素など、ほかの動物が餌として選ばない成分が少なからず含まれていました。