水族館でいつも愛らしい姿を見せてくれるペンギンですが、陸の上と水の上の俊敏さのギャップにはいつも驚かされます。
海の中を飛ぶように泳ぐとは、よく言ったものだと感心してしまいます。
しかし、そのペンギンは昔は本当に空を飛ぶ事が出来たそうです。
それなのに、どうして空を飛ぶことをやめてしまったのでしょうか。
それは、空を飛ぶ事から得るメリットよりも、海に潜るメリットの方がだんだん上回り、飛行能力を失ってしまったといわれています。
いったいいつ頃ペンギンは、飛ばなくなってしまったのでしょう。
その謎を解く鍵は、ウミガラスというペンギンに良く似た生物が握っています。
ウミガラスとペンギンの違いを調べる事で、進化の過程を知る事が出来るかもしれません。
細かくご説明いたします。
ウミガラスとペンギンの違いとは?
ウミガラスはペンギンととてもよく似た姿をしていますが、ペンギンがペンギン目のペンギン科に属するのに対し、ウミガラスはチドリ目のウミスズメ科に属します。
日本では絶滅危惧種に指定されている、北海道ではオロロン鳥とも呼ばれている海鳥ですが、ペンギンとウミガラスの最大の違いは、ウミガラスは空も飛べますし、海にも潜れる鳥だと言うことです。
また、北半球のみに生息し、南半球に生息するペンギンとは全く生息域も違います。
注目すべき事は、ウミガラスの同じ種類にあたる『オオウミガラス』です。
実はこのオオウミガラスこそが、世界ではじめてペンギンと呼ばれた鳥なのです。
オオウミガラスは、現在のペンギンと同じように翼が短く飛ぶ事ができませんでしたが、水中ではその短い翼を使ってまるで飛ぶように泳ぎまわりました。
しかし、陸地でのヨチヨチ歩きが災いし、乱獲により絶滅してしまいました。
そして、ペンギンという名前は見た目がとても似ているペンギンが、そのまま呼ばれるようになってしまったのです。
ウミガラスとオオウミガラスの違いを調べると、ペンギンが飛ばなくなった理由を想像する事ができるでしょう。
オオウミガラスは体長が80cm程度で大きい上に、脂肪を多く溜め込んでいました。
その為、人間の油や、羽毛、食料としての需要があり、乱獲されてしまったようです。
まとめ
人間は、サルが進化した動物だと言われています。
正しいかどうかは議論中としかいえませんが、人間はサルが進化した姿だとしたら、高い知能を持つゴリラサルと人間の間なのでしょうか。
ウミガラスは、ペンギンではありませんがとてもペンギンに似ています。
しかし、空を飛ぶ事ができます。
オオウミガラスは今のペンギンのように空を飛ぶ事を止めて、海に生きる道を選びました。
このように、どのような生き物も進化の過程を探る為には、現存する種類の生物で想像するしかありません。
進化の途中を探る作業は、困難を極めます。
しかし、その中で学ばなければならない事があります。
オオウミガラスは、人間の乱獲により絶滅してしまいました。
今や絶滅危惧種となったゴリラも、森に生きることを選んだヒト科の大型類人猿です。
私達人間は、オオウミガラスと同じような道を辿らせては絶対になりません。