動物のバクのことを聞いているのに「ああ、夢を食べる生き物ね」と返された経験はありませんか。

そう、バクはよく夢を食べる動物といわれますが、この理由はどこからきているのでしょう。

奇蹄目(きていもく)のバクは、実際に夢を食べることはありません。

悪夢を食べるといわれる理由は伝説上の生物、獏(ばく)に姿が似ている理由によるものです。

バク 夢 食べる 理由

伝説の生物!バクが夢を食べるといわれる理由

悪夢を食べる伝説上の生物の獏は、中国から日本へと伝わりました。

その歴史は古く、古代中国の文献では熊に似て黄黒色や黒白のまだらの体など、姿形は諸説さまざまです。

そのなかでも、中唐の詩人・白居易の「貘屏賛」では、鼻はゾウで目はサイ、尾はウシ、脚はトラと記載されています。

この描写で、四足歩行の鼻が長い生物がイメージできますね。

動物のバクの姿に似ているといえば似ていますが、昔の中国には実在のバクが生息していたのでしょうか。

古代中国には、現在のマレーバクが生息しており、古代の遺跡からもバクを思わせる青銅器がみつかっています。

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バクが夢を食べる生物の獏に似ていることはわかりましたが、本来、中国の伝説で獏は悪夢を払う生物として知られています。

唐の時代では屏風や絵に描いて邪気を払う風習の獏がなぜ日本では、夢を食べる生物として広まっているのでしょうか。

これは、獏伝説が中国から日本に渡ったときのさまざまな伝え方、その後の継承方法により、悪夢を払うが悪夢を食べると解釈され、これが後の動物のバクが夢を食べるといわれる理由となったと考えられます。

現代で夢を食べるというと、どことなく怖いイメージがありますが、伝わった当時はあくまでも縁起の良い生物として知られていました。

室町時代の末期では、正月に良い初夢をみられるように枕の下に獏という文字を用いたり、江戸時代では縁起物として獏を描いた札が流行したりしたほどです。

まとめ

ここまで、動物のバクが夢を食べるといわれる理由についてみてきました。

悪夢を食べるとされる中国の伝説上の生物である獏に姿が似ていることが、バクが夢を食べるといわれる一番の理由です。

夢を食べるといわれるのは、悪夢を払う獏が日本に伝わり、悪夢を食べると生物として広まりました。

その後、悪夢だけではなく夢を食べると解釈され広まったと考えられます。

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