先日、待ち合わせの時間を決めるときに、ふと思ったことがありました。

昨今の感覚では、一日24時間で考えるものの、11時と言ったら午前なのか午後なのか分からなくて、午前11時と言ったりしますよね。

また、20時と言ってもピンとしづらく、午後8時と言われた方が分かり易くないですか?

お昼の12時も、正午と言った方が楽だったり通じやすかったりしますよね?

前置きが長くなったのですが、何をふと思ったかと言いますと、この“午“という字は十二支で言う“ウマ”と同じ字ですよね?

草木も眠る丑三つ時とかもよく聞きますので、ふむふむ、24時間をこの十二支に振り分けたのか!?までは、閃いたのですが・・・。

ですが、そもそも、動物の馬に関わる言葉には一切この“午”の字は使わないですよね?

何故、午と書いてウマと読むのか(丑とかもですが・・・)が、物凄く疑問になってしまいました。

この十二支や干支にしか登場しない“午”とは何なのか?調べてみる事にしました。

午 馬 違い

“午”と“馬”は違う存在!?

まず、自分が勝手に思いついたのは、やはり小さい頃の疑問であったのが、あのビールメーカーのキリンビールのラベルに居る「麒麟」のイラストと、動物園で見るような「キリン」のかけ離れっぷりです。

結局「麒麟」は「朱雀」や「玄武」の様な神獣だったと教えてもらえた記憶から、もしや“午”もそのような感じで、違う生き物か何かかと推理してみました。

答えは全くハズレでした・・・。

まず、十二支とは何かという所から簡単に説明していきます。

十二支と干支がよくごちゃごちゃになってる場合をよく見かけます。

本当のところは「十干」と「十二支」とを組み合わせて「干支」なのですね。

十干とは“甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸”になりまして、見覚えがあるのではないかと思います。

そして「十干」の10種類と「十二支」の12種を、一年ごとに順にあてがって、自分の産まれた年から全ての組み合わせを終えると60年掛かります。

つまり60歳の時に暦が元に還るという事で“還暦”と呼ばれるそうです。

野球で有名な甲子園も、球場が出来上がった年がこの干支の一番最初の“甲・子”の年だった事にあやかって付けられたのだそうです。

話が逸れてしまいましたが、そもそも「十二支」とは、紀元前の中国にて木星を崇めて観察していたところ、12年で天空の軌道を一周する事に気付き位置を示す為のモノだったそうです。

その時代の中国の天文学では、天球を用いて考えられていまして、その天球を東西に12分割してその一つ一つに名称を付けていました。

その名称が“子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥”だった訳です。

例えば“午”のゾーンとされている場所に、木星が光っていたとします。

そのゾーンに今年は木星が光ってるから、今年は“午の年”という感じだったのでしょう。

ですが、実際その様な昔の時代に漠然と“子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥”の順番で覚えろと言われても、馴染みのない字をツラツラと民衆が覚えれるわけもありませんよね。

そこで、漢字に馴染みのある動物を当てはめて覚えてもらおうとしたそうです。

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その後にもっと馴染んでもらうためか、元旦に神様に参った順に一年間を代表する動物として讃えますよと、競走をさせたお話が出来たとも言われています。

その後「十二支」は月の数えにも使いました。

ちなみに「十干」は日数の数え方に使いまして、十日間を3回でひと月としました。

その十日分を旬と呼び、月の上旬・中旬・下旬と呼ばれる事になったそうです。

後々には、「十二支」は時刻の表現にも当てはめて活躍していますね。

24時間を「十二支」で2時間ごとに分けてますが、始まりは“子”からですが、“子”の時刻のど真ん中を深夜0時の扱いになるので、実は“子”の時刻は23時から深夜1時までを言います。

これを順に当てはめていくと、やっと本題の一つ“午”はお昼の11時から13時までの事となりまして、“午”の刻のど真ん中はお昼の12時・・・つまり正に午の時刻!→「正午」となったのですね。

そして、“午の刻”より前の時間→“午前”、後の時間→“午後”となった訳ですね。

ならば0時も正子て言わないのか?と思われる方もおられると思いますが、実はちゃんとそのように使っていたのです。

ですが、なぜか慣用句としてはあまり聞く言葉ではなくなってしまってますね。

さてさて、物凄く遠回りな説明をしてきましたが、結局なぜ“午”が“ウマ”なのかと申しますと・・・。

先述でチラッと記載しましたが、覚えやすく馴染みの動物を当てはめたという事はつまり、俗にいう「当て字」の様なモノだったようです・・・。

ですので、実際の漢字の意味では“午”にはあの動物の“馬”の意味は全く無かったという事になります。

道理で“午“の字は動物の“馬”の意味では一切使用しない訳ですよね。

今の時代でしたら、その昔の漢字のままではなく、“鼠・牛・虎~”の様に現在使っている漢字に変化していきそうな気がしますが・・・。

それこそ紀元前からの当て字の様な漢字なのに、そのまま使われ続けているのも凄い気がしました。

まとめ

物凄く長々と書いてしまいましたが、“午”と“馬”は全く関係ないよの一言だった訳ですね・・・。

当て字という事なので、よその国では“卯”の動物に“兎”ではなく“猫”が割り当てられている国も有るそうです。

12番に入れなくて猫が鼠を恨んで追いかけるようになったというお話も違ってるのでしょうかね?

それにしても、時間からの疑問がこんなにも昔からの習慣を勉強する事となるとは、ちょっと自分でも驚きでした。

少しでも、同じ疑問を持った方々の役に立ったなら嬉しいです。

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