大根を栽培する時、たいてい悩まされるのは、ヨトウムシがつくことだといわれています。

親虫であるヨトウガは、卵を1000個近くも産むので、しばらく見ない内に大根は食い荒らされて、無残な姿になっている場合もある様です。

大根につくヨトウムシについて調べます。

ヨトウムシ 駆除 大根

大根につくヨトウムシの駆除方法!

ヨトウガの卵

ある時、どこからともなく飛んできたヨトウガが、大根の葉の裏にたくさんの卵を産むことでヨトウムシがつきます。

大根の葉は細長く、もともと葉の多い形をしているので、丁寧に観察しないと、卵と小さな幼虫では、見つけ難いかも知れません。

また卵は、親虫の種類によって「並んでいるもの」や「こんもりと盛られているもの」、「卵が保護されているもの」など、見た目も違う様ですが、決して1つ1つを単独で産み付けることはない様です。

ヨトウガの卵の駆除

ヨトウムシの卵は、大根の葉の裏に1000個近く見つかることがある様です。

ヨトウムシの卵を見つけたら、卵だけを取り除くのではなく、葉ごと摘み取って別の場所で処分する(大根の付近では行わない)ことが鉄則となっている様です。

大根の根元では、孵化後に戻ってくる可能性があるからだそうです。

孵化したばかりのヨトウムシの駆除

卵から孵った幼虫は、緑色だということです。

緑色(=アオムシ)の時期は、まだ集団生活をしている可能性が高い時期なので、葉の裏を観察して、見つけ次第 処分しましょう。

一般的に、ヨトウムシの駆除が1番楽な時期は、この時期だといわれています。

5~6齢の時期のヨトウムシの駆除

アオムシがもう少し成長すると、体の色は茶色へと変わっていく個体も現れる様です。

この頃になると1枚の葉では手狭になるのか、幼虫は、ほかの葉へとそれぞれが移動し、大根全体へ広がっていくそうです。

「大根全体へ広がる」ということは、大根1本丸ごと被害に遭う可能性があるという意味です。

終齢幼虫の時期のヨトウムシの駆除

大根に被害を与える幼虫は、おおむね5cmにもなり、本当なら見つけやすいはずなのですが、実はヨトウムシは、サナギになる準備の時期(体が茶色や緑色の時期)に入ると、「昼は土の中に隠れ、夜は外に出て大根を荒らす」という今までとは反対の生活になるそうです。

「葉は食い荒らされ、フンが落ちているのに、幼虫が見つからない」場合は、土の中に隠れている可能性が高いといわれているので、夕方頃に大根の根元を少し掘り返してみると、幼虫が見つかることがある様です。

見つけたら、すぐに処分しましょう。

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そのほかのヨトウムシの駆除(=忌避)方法

赤い物

ヨトウムシは、赤色の物に引き寄せられる習性がある様ですので、大根の側には決して赤い物は置かない様にしましょう。

米ぬか

ヨトウムシは「米ぬかが好き」という情報があるそうです。

容器に米ぬかを入れて、大根の株元の高さと同じになる様に埋めましょう。

土に潜るはずの個体が、米ぬかのニオイに誘われて、その容器の中に入っていくといわれています。

防虫ネット

防虫ネットなどを利用して、大根全体を保護し、親虫が卵を産み付けるのを邪魔する方法です。

ただし、「防虫ネットの上にも卵を産んだ」という記録もある様ですから、試してみないと効果のほどは、判断ができないということです。

ヨトウムシを見つけては、少し薄めた酢水に溜めていくのだそうです。

しばらく経つとヨトウムシの腐敗液ができます。

それをさらに薄めて、大根の根元や周辺にまくのだそうです。

残酷な様にも聞こえますが、ヨトウムシは、そのニオイと仲間から出た毒素を嫌って、「遠ざかる」や「寄り付かない」効果が期待できるといわれています。

農薬

農薬には、自然成分の農薬と化学成分の農薬がある様です。

自然成分の農薬は、「ヨトウムシがいなくなる、または、寄り付けない」といった方がしっくりくる様です。

化学成分の農薬は、昔の農薬の様に、見る見る虫が落ちるのではなく、数日かけてじっくりと駆除するタイプに改良されている様です。

大根につくヨトウムシと農薬

余りにもヨトウムシからの被害が大きいと、なかなか手作業だけでの駆除は重労働になる様です。

そこで、できるだけ大根への影響が少なく、人の体にも影響の出ない農薬を使うことも仕方のないことなのかも知れません。

大根に使われることが一般的な農薬に「ゼンターリ顆粒水和剤」というものがある様です。

これは、国が定めた規格の有機農産物に使うことを許可された農薬だそうで、ほかの昆虫(ハチなど)への悪影響が少ないといわれています。

この農薬の成分は「微生物」だといわれ、効き目は緩やかながら、ヨトウムシの駆除が期待できるとして栽培者の間では使い慣れた農薬の1つになっているとのことです。

まとめ

ヨトウムシは、親虫が葉の裏にたくさんの卵を塊で産むので、葉の裏を観察すると比較的見つけやすいこと、卵から孵ってもアオムシの時期ならば、駆除は簡単だということが分かりました。

ヨトウムシの駆除の方法は、身の回りの物を使うことでも、おおむね駆除が期待できることが分かりました。

農薬を使っての駆除は、益虫(テントウムシやハチなど)に悪い影響が出ない種類も数多く出回っていて、「農薬の昔のイメージ」が変わりました。

※有機農産物:無農薬であり、化学成分を含まない肥料で栽培することを国から認められた作物

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