羊のいる風景というと、どんなイメージが思い浮かびますか。

広大な草原に、もこもことしたかたまりが集まってのんびりと過ごしている。

その周りを牧羊犬が走り回っている。

そんな光景ではないでしょうか。

そしてそれは、あくまでも筆者の場合ですが、それはオーストラリアなどといった外国のイメージなのです。

もちろん日本でも、羊の飼育はされています。

観光施設の牧場がありますし、もちろん家畜として飼育している農場も多くあります。

ですが、牛や豚のように全国的に飼育されている動物と比べると、場所や地域が限定されていて、なんとなく印象が薄いのではないでしょうか。

食肉として、衣類や鞄類などの原材料などとして、羊は私たち日本人にとっても身近な生きものであるはずです。

それなのにそんな印象なのは、一体なぜなのでしょうか?

羊 家畜 日本

 

日本は羊を家畜とするには向いていない?

日本国内で羊の飼育が盛んに行われている地域は、北海道や東北、北関東、信越地方などにある程度限られています。

古来より、日本では羊の飼育は盛んではありませんでした。

その理由のひとつは、日本の気候が高温多湿であることです。

高温や湿気を嫌がる羊は、そもそも日本の気候には向いていないのです。

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もう一つは、国土が狭いことです。

羊は集団で行動する動物で、単体では大きなストレスがかかってしまいます。

そのため、複数の団体で飼育する必要があり、そのための広大な放牧地を確保することが難しかったであろうことが、理由として挙げられます。

さらに、羊肉には独特のにおいがあるため、牛や豚・鶏などと比べると食肉としての需要が低かったことも、家畜としての飼育が盛んにならなかった理由の一つと考えられます。

これらの理由から、日本では、現在でも家畜としての羊が飼育されている地域は、一部に限られたままとなっています。

まとめ

今回、羊の飼育の歴史を調べていくうちに、明治時代に一時的に羊の飼育が盛んだったことが分かりました。

これは軍用の衣類の原料確保のためでしたが、やはり定着しなかったようです。

たしかにあの羊のもこもことした風貌を見るにつけ、高温多湿の日本で過ごすことは、想像しただけでもつらそうです。

大規模な農場としては限られた地域になってしまいますが、観光地としての牧場は日本のあちこちにあります。

動物園でも羊は飼育されていますから、羊と触れ合いたいなら、そういった身近な施設に会いに行くのがよいでしょうね。

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