はるか昔、日本はユーラシア大陸の一部だった時代があることをご存知でしょうか。
この時代、もしかしたら、日本はゾウの楽園だったかもしれません。
北海道から九州まで、ナウマンゾウの化石があちこちから出土していることはよく知られております。
ゾウは身体が大きく強いイメージをもちますが、日本で強さを表す動物と言えば、虎になります。
日本には、虎が生息していたのでしょうか。
生息していたとしたら、いつから?
その歴史について、調べてみたいと思います。
日本における虎の歴史について
- 虎視眈々
- 前門の虎後門の狼
- 雲は竜に従い風は虎に従う
- 虎の威を借りる狐
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず
- 市虎三伝
等、日本には虎を用いたことわざや古事が多々見られます。
虎と聞けば、一休さんの虎退治を思いだす人も多いのではないでしょうか。
足利義満が一休さんに対し、屏風の絵に描かれた虎が屏風を抜け出して暴れるので、退治して欲しいと相談します。
それを受けた一休さんは義満に対し、「捕まれるので、虎を屏風から追い出してくれ」と切り返したために、義満が悔しがったというお話。
また、歴史上の人物でも人気の高い豊臣秀吉のお話しでは、淀君を側室にした際、若い女性を相手にしなくてはならない秀吉は、虎の肝が良いということを聞きつけた。
その肝を探させるために朝鮮民主主義人民共和国へ兵士を派遣して虎を退治させ、せっせと送らせたというお話。
ちなみに、このお話にはその先があり、実は秀吉は虎の肝を食べ過ぎたせいで胃腸を壊したのではないかと言われているそう。
さらに、江戸時代に詠まれた川柳に、「虎はなんと鳴くかと聞かれ儒者困り」なる句があります。
学術的知識が高かった儒者でも、虎の鳴き声が分からず窮したという皮肉さを詠んだ一句になりますが、この時代、日本には虎が生息していなかったことが証明される川柳となっております。
虎はいつから日本にいるの?
実は、40万年前、日本には虎が生息したとされております。
青森県下北半島・栃木県葛生・群馬県桐生・静岡県浜松市浜北・山口県伊佐・大分県津久見等から化石が発見され、大陸から虎が日本に渡ってきていたのではないかと考えられているとのことです。
まとめ
2014年夏、東京にある国立科学博物館で開催された「太古の哺乳類展」にて、2万年~1万年前の虎の化石が展示されております。