子供のころ、ファーブル昆虫記を読んだことのある方はいらっしゃるでしょうか。
昆虫を観察してその生態を紹介している本なのですが、擬人化した表現も多く、文学作品としても楽しく読みやすいです。
ファーブルはフンコロガシの生態についてとても興味を持っていたようで、その本の中にフンコロガシも何度か登場してきます。
今回はそんなフンコロガシの生態について、少しまとめてみたいと思います。
フンコロガシの面白い生態
フンコロガシは1種類の虫を指す名前ではなく、動物の排泄物を食べる虫(糞虫)の中でも、フンを少しずつ丸めて大きくしていき、最終的にはボール状に固めたものを転がしていく虫全体のことを指します。
巣など安全な場所に運んでから食べるという習性があります。
また転がした安全な場所でその下に穴を掘って巣をつくることもあります。
そのフンの転がし方は前向きではなく、逆立ちを後ろ足で転がし、後ろ向きに進んでいきます。
フンコロガシの大半の種類は夜行性で、夜行性の種は昼間太陽を、夜間は天の川や月の光をみて方角を知っているとされています。
具体的には月の光と太陽の光が大気中で散乱してできる偏光パターンを利用して方向を感知するのだそうです。
ヒトにはこの偏光パターンは見えませんが、多くの昆虫類では見えるのだそうですよ。
月の光が見えない時は、アフリカにいるフンコロガシは天の川の偏光パターンを利用するようです。
一方夜行性ではない種類では、主に太陽の光を頼りにし、夜間は月の光を頼りに方向を感じ取るのだそうです。
フンコロガシのさらに面白い習性として、フンを移動する前に大切に作ったフン玉の上に乗り、上でダンスを踊るようにして方向を見定めるのだそうですよ。
そして下におりてきて、自分で決めた方向にフンを転がし始めるのだそうです。
また、月の光も星の光も届きづらい曇りの夜には、よろよろと不安定な動きはするものの、物理的な目印には頼らないという研究結果も出ています。
とても興味深いですね。
まとめ
いかがでしたか?
フンコロガシたちのとても不思議な生態を分かっていただけたことと思います。
私たち人間には考えられない食べ物ですが、それを利用して成長している生き物も地球上にはいるのですね。
海外の牧場などでは、糞の処理をしてくれるフンコロガシは重宝されているようですよ。