最初に、人間以外の動物が言葉を話せるのかは、沢山の人たちの関心ごとでした。
すでに18世紀にはオランウータンを教育したらいいのではという、哲学者がいたことから始まり、類人猿にも言葉を教えようとしたところ、猿は言葉を理解できることができるのではないかという人が出てきました。
そこで、いろいろな猿に言葉を教える研究を始めたのです。
猿は言葉を発するのか?
猿の体の構造上、言葉を発するのは実はできたようです。
しかし、言葉が話せないのは、声の微妙な動きを可能にする神経回路がないことが原因です。
つまり、言葉を出せる程度に細かい口の動きなどはできるのですが、これをコントロールする脳が追い付いていないためです。
そして、猿の口やのどの構造は、従来思われていたよりもはるかに、柔軟であるとわかっています。
結果、猿は言葉を理解し、発することができるものとしています。
人間と猿の違いは、思っていた以上になかったため、猿でも言葉を発することが進化の途上で起こりえた証拠です。
しかし、猿がどのような言葉を理解できたのかは、英語が主だったようです。
理解した言葉をどうやって発したか!?
発音が難しい猿がどのようにして言葉を理解し、発していたのかというと、発音に頼らずにキーボードやジョイスティックを使うという変わった方法をとられていましたが、一番効果があったのが、アメリカ手話であったということでした。
実は、過去に手話を学び始めた猿は、350以上の単語を覚えて、手話で人間と話せたという実績を残しています。
さらにこの猿は、池で白鳥を見て、水と鳥という単語を作り、猿でも創造的な言語能力があるとされてきました。
同じ言葉を学んでいた猿に、言葉の意味を教えていくこともできたそうです。
また、絵本を理解した猿もいたようで、本の中に出てきた猫を実際に飼ってみると、その猿は猫と一緒に生活できたというデータもありますから、猿は言葉を理解するのです。
まとめ
猿の中で一番言葉を理解できる動物は、チンパンジーが一番近いといいます。
これは、いかにして猿の中で人間に近いかを示しているものです。
その証拠に、言葉を理解しているチンパンジーがどんどん子供を産んで、数字から言葉まで多数覚えていることを研究している学者が発表しています。
猿の体の構造上は人間と同じですが、言葉を発する神経が届いていないために、理解していてもそれを発表することが難しいだけです。
もしも、人間が猿と話して言葉を発し、理解ができたらどのような世界になっていたのかが楽しみです。
これからは、動物園の中ばかりではなく、いろいろな場面に出してコミュニケーションができるようにしたら、いろいろ変わってきます。
猿が言葉を理解し、これを表現するための道具があれば面白いところです。