スラリとしていてつぶらな瞳の鹿には、柔らかくて可愛いイメージを持つ人も多いでしょう。

ですが、実は鹿は国内では最も被害の大きい困った動物でもあります。

草食動物の鹿は主に草や葉っぱなどの植物を食べますが、人が育てた穀物や野菜、果物などのあらゆる農作物を食害するのです。

天敵のオオカミが絶滅してしまったために鹿は急激に増加しており、山野を食い荒らすだけではなく人間にまで被害が及んでしまっています。

増加した鹿にはどんな対策がなされているのでしょうか。

鹿 増加 対策

増加傾向の鹿にどのような対策がされているの?

2015年時点で、鹿による農業被害額は59憶円以上にものぼり、野生動物による実害全体の34%を占めるといわれています。

また鹿による食害を受けた農地は51ha以上で、全体農地面積の63%が鹿被害によるものです。

農作物被害だけにとどまらず、森林被害も問題となっています。

鹿は樹皮を剥ぎ取って食べるので、木はそのまま枯れてしまいます。

ヒノキなどが被害を受けており、林業への影響が大きいです。また木々が枯れることで土砂崩れなども発生しています。

森が急激に減少しており、特に南アルプスの高山帯、岩手の早池峰山、群馬・福島・新潟に渡る尾瀬ヶ原、鹿児島の屋久島、北海道の知床などが甚大な被害を受けています。

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このように、鹿の食害は各所で大きな影響を及ぼしています。

鹿から農作物を保護するには、以下の方法があります。

まずは農作物を柵や電気柵で囲ってしまうことです。

鹿はジャンプ力があるので、通電しない柵ならば1.5~2メートルほどの高さが必要となります。

また鹿の体重は40~110キロにもなるため、柵自体も頑丈にしないと身体を載せられたら柵が壊れてしまいかねません。

音や光で威嚇する方法もあります。

音の出る機械で犬やオオカミ、あるいは銃声などを流して鹿を追い払う方法です。

またLEDライトで鹿を警戒させて追い払うことも可能です。

ですが長時間使い続けると、鹿が音や光に慣れてしまい効果が薄くなるとされています。

11月15日から2月15日までの狩猟期間内であれば、一定の法規定に則り鹿用の罠を設置することができます。

まとめ

鹿の増加は、時代の変化と共に日本の山村から人がいなくなり、農地や森林の管理がなされなくなったことが一因なのかもしれません。

1人でも多くの人が、鹿問題をより身近で大きな問題と認識する必要があるでしょう。

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