動物から人間へうつる感染症を、人獣共通感染症をいいます。

厚生労働省では動物由来感染症という言葉で表しています。

コウモリが自然宿主であると考えられる感染症は世界中に数多くあります。

コウモリは様々な人獣共通感染症の感染源となっている可能性があるのです。

有名なのは狂犬病ですが、他にもハンタウイルス感染症、ヒストプラズマ感染症、ニパウイルス感染症などがコウモリを原因としているのではないかと疑われています。

日本のコウモリも、これらのウイルスや菌をもっているのでしょうか。

コウモリ 感染症 日本 症状

日本におけるコウモリによる感染症への対策

いまのところ、日本において、コウモリが感染源となって人にうつったと考えられる感染症は大きな問題となっていません。

しかし、世界にはコウモリが人獣共通感染症の感染源になり得るとして対策をしている国もあります。

具体的には、コウモリの輸入制限や、コウモリに接触する可能性がある人への狂犬病ワクチンの接種推奨などです。

平成15年11月になってようやく、日本でも感染症法によってコウモリの輸入が禁止されました。

スポンサードリンク

コウモリによる感染症の症状

コウモリから人にうつる感染症で一番有名なのは狂犬病です。

狂犬病ウイルスの多くがコウモリからも発見されています。

狂犬病というと、日本では犬を感染源として思い浮かべる人が多いと思いますが、ヨーロッパやアメリカではコウモリも感染源として警戒しています。

『狂犬病に感染すると、強い不安感、一時的な錯乱、恐水症、恐風症、高熱、麻痺、運動失調、全身けいれんが起こります。

その後、呼吸障害等の症状を示し、死亡します。』(厚生労働省のHPより)

日本国内での狂犬病の感染は1956年を最後に発生していませんが、国外で犬にかまれて感染し帰国後に発症した例はあります。

コウモリが保有している菌の中には、感染すると風邪のような症状が出るものもあります。

発熱、倦怠感、食欲不振などです。

もしコウモリを素手で触ったとか、ましてコウモリに噛まれてしまったなどどいう心当たりがあって不安に思う場合は、病院を受診した方がいいでしょう。

まとめ

日本人は世界的にみてもとても衛生的に暮らしていて、そのため海外よりも人獣共通感染症にうつる可能性が低くなっているのではないかと考えられます。

日本では人獣共通感染症への関心が低く、あまり対策がなされていません。

しかし、国際交流が盛んな現代では、いつ日本にコウモリを感染源とする感染症が入ってきてもおかしくありません。

コウモリは感染症を運んでくるかもしれないと頭の片隅に留めておけば、もし落ちているコウモリを見つけても素手で触ろうとは思わないでしょう。

スポンサードリンク